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2024/10/03

配膳ロボットの導入店舗事例4選!導入効果やおすすめの店舗なども解説

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配膳ロボットの導入店舗事例4選!導入効果やおすすめの店舗なども解説

人手不足や業務効率化など、さまざまな理由から配膳ロボットの導入を検討している方も多いはず。しかしながら導入を考える際には、実際の事例など検討材料が不可欠です。
そこで本記事では、配膳ロボットの導入店舗事例や導入効果、配膳ロボットの導入が適している店舗の特徴などを解説します。

目次

配膳ロボットの導入店舗事例4選

本項ではまず、配膳ロボットを実際に導入している事例を4つ紹介します。

事例①:山田うどん食堂

一つ目の事例として紹介するのは、全国にチェーン展開している山田うどん食堂の配膳ロボット導入事例です。
同社では人手不足が課題となっており、本来であれば4名体制で店舗運営したいところが3名しかスタッフがいない、スタッフ不足により時短営業を余儀なくされるといった課題に悩まされていました。
上記の課題を解決すべく、同社は配膳ロボット「KEENON T8」を導入、こちらの配膳ロボットは、小回りが利く小型の配膳ロボットです。
導入後の効果としては、1日平均配膳100回分、距離換算で約1.5kmの移動を配膳ロボットに代替させることに成功しています。
またこれにより、配膳・下膳業務の効率化とスタッフの負担減、以前からの課題であった人手不足の解消にもつながっています。

出典:【外食チェーン導入事例】山田うどん食堂さま|小回りの効く小型配膳ロボット「KEENON T8」

事例②:お出汁・酒肴・佳さく

2つ目の事例として紹介するのは、北海道で営業している個人飲食店「お出汁・酒肴・佳さく」の事例です。
同店ではお出汁を使った料理でお客様を楽しませてきましたが、小規模の店舗であるが故の慢性的な人手不足に悩まされていたといいます。また、配膳業務の負担が大きく、営業中に店内の雰囲気がピリピリしてしまう、という課題も抱えていました。
人手不足に起因する業務負担増や店内の雰囲気といった課題を解決すべく、同店は運搬性能が高く、正確に配膳業務を行えるソフトバンクロボティクスのKeenbot T8の導入に踏み切ります。
Keenbot T8の導入効果として、同店はアルバイト従業員1.5人分、約30%の業務負担減という明確な効果を感じているといいます。
また、人手不足の解消に一役買うだけに留まらず、配膳ロボットはお客様からの反応も良く、店内の雰囲気作りにも良い影響を与えているそうです。

出典:コンパクトな個人飲食店の配膳ロボット活用術。北国・北海道で生まれた”人とロボットの絆”とは

事例③:名古屋プリンスホテル スカイタワー

続いて紹介するのは、名古屋プリンスホテル スカイタワーの事例です。
同ホテルでは配膳・下膳業務に人手を割く必要から、接客に注力できる体制構築が十分でないという課題を抱えていたといいます。
また、ブッフェスタイルで料理を提供しているため、下げ場に下膳が溜まってしまい、店内の美観を損なってしまうという問題にも悩まされていました。
そこで同ホテルはさまざまな配膳ロボットを比較検討し、満場一致でソフトバンクロボティクスのDelivery X1の導入を決定しました。
Delivery X1の導入後は、時間帯によって運用方法を工夫するなど、店舗側で最適な運用を目指し、試行錯誤を行っているといいます。
効果としては、1日100往復、時間にして3.3時間の運搬業務をDelivery X1が代替。人件費に換算すると、約16万円のコスト削減効果も出ているそうです。

出典:人とロボットがともに改善しあうことでサービス向上を実現! 提供シーンが変化するホテルレストランで1日中活躍する配膳ロボットの実力とは?

事例④:中華食堂日高屋 目黒東口店

最後に紹介するのは、全国展開している中華食堂日高屋 目黒東口店の導入事例です。
同店では慢性的な人手不足の解消だけでなく、今後の人口減少も見据え、店内業務のDX推進を進めているといいます。
その一環として、目黒東口店ではBellaBotとKettyBotの2種類、配膳ロボットを導入しています。2種類の配膳ロボットを導入したのは、同店の席数が62席と多いことが背景にありました。
導入効果としては、インフルエンザなどにより欠勤が増える季節でもしっかりと「人員」の確保ができる点、そして店舗のDX推進に繋がっている点を挙げています。
また、配膳ロボットが業務を代替してくれることにより、スタッフがお客様への気配りに回せる時間が増え、余裕が生まれたことにも触れています。

出典:スタッフの余裕と気配りを生む「日高屋」の配膳ロボット

本項で紹介した事例と自店舗の状況とを照らし合わせつつ、配膳ロボット導入の検討材料にしてみてください。

導入事例から考える配膳ロボットの導入効果5選

本項では、前項で紹介した配膳ロボットの店舗導入事例を踏まえ、実際に導入することでどのような効果を得られるのか紹介します。

配膳業務の効率化

配膳ロボットを導入することにより、店舗の配膳業務を効率化することができます。
たとえば、人の手で配膳を行うと一度に2皿程度の配膳しかできないところも、配膳ロボットであれば一度に3皿以上の配膳を一度に行うことが可能です。
これにより店内を往復する回数も減り、一度に多くの料理をお客さんに届けることができます。配膳の回転率を上げ、効率化できるのは配膳ロボットの持つ強みです。

人手不足の解消

飲食店は往々にして慢性的な人手不足に悩まされています。アルバイトスタッフを雇ってもすぐに辞めてしまう、時間帯によって人手が足りずサービスの質が落ちるなど、人手不足によって引き起こされる問題はさまざまです。
その点、配膳ロボットは無人で配膳業務を代替することができます。これにより、店舗内に「人手」が少ない場合でも、質を落とさずお客様へのサービス提供を行うことが可能です。

人件費の削減

同じく人員という観点から、配膳ロボットは人件費の削減にも貢献することができます。
飲食店における人件費は無視できない課題の一つです。特に個人店では、「お店を回すのに人手が必要だが、人を雇う余裕がない」「人を雇ったはいいものの、人件費が店舗経営を圧迫している」といった悩みを抱えている経営者の方も多いのではないでしょうか。
このような課題解決に向けて、配膳ロボットは一つのソリューションと捉えることができます。配膳ロボット一台でホールスタッフ複数人分の働きができれば、それだけ人件費の削減に繋がるでしょう。
配膳ロボットそのものに対する初期費用や維持費はかかるものの、長い目で見れば人件費削減に大きな効果を生むことができます。

他業務の質向上

飲食店における業務は配膳・下膳に留まりません。調理や洗い場、会計や接客など、さまざまな業務が求められます。しかしながら人手不足に陥っている店舗においては、注力できている業務の偏りが課題となっていることも多いのではないでしょうか。
たとえば、調理に人員を割いているが故に、接客サービスの質が落ちている、といった状況が上記に該当するでしょう。
配膳ロボットを導入することで、店舗スタッフを配膳・下膳以外の業務に注力させることが可能です。たとえば接客サービスに人手が回せていない店舗であれば、配膳ロボット導入後に人手を接客に回すことで、サービスの質向上に繋がるでしょう。
このように、配膳ロボットで人員に「浮き」が生まれる分、その他業務の質を向上させられるのは明確なメリットといえます。

従業員の負担減

配膳ロボットの導入効果として、従業員の負担減も挙げられます。
たとえば人員の少ない店舗においては、スキルのあるスタッフに業務が集中してしまい、負担がかかってしまっているという状況が散見されます。結果としてスタッフの体調不良や欠勤、退職などに繋がってしまい、悪循環に陥ってしまうというケースも珍しくありません。
その点、配膳ロボットであれば配膳・下膳業務を肩代わりできるため、スタッフの業務負担を軽減することが可能です。
配膳ロボットの導入を行うことで、さまざまな導入効果を得ることに繋がります。

配膳ロボットの導入がおすすめの店舗の特徴は?

本項では、配膳ロボットの導入におすすめの店舗の特徴を解説します。

配膳量が多い

配膳ロボットの導入にマッチする店舗の特徴として、配膳量の多さが挙げられます。
一組あたりの注文数が多い、店の回転率が高く配膳の回数が多いといった特徴のある飲食店では、人の手で配膳業務を行うとかなりの業務負担がかかります。また、人の手で配膳する以上、一定の時間も必要になるでしょう。
その点、配膳ロボットで配膳業務を自動化すれば配膳量が多い場合も捌くことができるため、効率化に繋がります。

人手不足に陥っている

人手不足は飲食店が抱える大きな課題の一つです。多くの飲食店が慢性的な人手不足に悩まされているでしょう。
基本的に、人手が足りていない場合も業務フローは変わりません。そのため業務負担が増加し、サービスの質が落ちてしまう悪循環に陥っている店舗も多いはず。
配膳ロボットであれば配膳業務を無人でこなせるようになるため、従業員の負担を減らしつつ、人手不足でも店舗業務を回せるようになります。

配膳距離が長い

店舗規模によっては厨房からテーブルまでの距離の関係上、配膳距離が長い店舗もあるでしょう。配膳距離が長い店舗では、配膳ロボットの導入が有効です。
人の手で長い距離を歩いて配膳をするとなると、転倒事故の原因になってしまう、業務負担が増えてしまうといった弊害が発生します。その点、配膳ロボットであれば距離は関係なく安全に配膳ができるため、事故の予防にも繋がるでしょう。
配膳距離が長く、中々効率化できていない、転倒事故などが度々起きて困っている、このような状況に該当する場合は、配膳ロボットの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
本項で紹介した店舗の特徴に自店舗が当てはまるか考えつつ、導入を検討してみましょう。

配膳ロボットの導入をおすすめしない店舗の特徴

続いて本項では、配膳ロボットの導入に向かないとされる店舗の特徴を解説します。

店舗が狭い

配膳ロボットは基本的に比較的長い距離の配膳を効率的に行うことを念頭に作られています。そのため、店舗がそもそも狭い場合には、配膳ロボットの強みを活かしきれない可能性があるため注意しましょう。
テーブル数席で営業しており、厨房からの距離も近い店舗の場合、配膳ロボットを導入することでかえって業務効率が落ちてしまう可能性も考えられます。
配膳ロボットの導入を検討する際は、自店のスペースで十分に運用できるかどうか、事前に分析しておく必要があります。

カウンター席が多い

バーやパブなど、飲食店によってはカウンター席をメインで営業している店舗もあります。カウンター席メインの飲食店では、配膳ロボットを導入しても大きな効果が得られない可能性もあります。
基本的に配膳ロボットはテーブル席への配膳を念頭に置いて設計されており、カウンター席への配膳はかえって非効率に繋がる恐れがあります。これはカウンター席の場合、目の前の調理場から直接カウンター席へ料理やドリンクを提供するためです。
そのため、カウンター席メインで店舗運営をしている場合には、配膳ロボットの導入には慎重になることをおすすめします。

店舗レイアウトが頻繁に変わる

配膳ロボットは基本的に店舗のマップやルートを保存し、その通りに動いて配膳業務を行います。このような性質から、店舗レイアウトを頻繁に変更している飲食店も、配膳ロボットの導入に向かない店舗の特徴として挙げられるでしょう。
上記に該当する店舗で配膳ロボットを導入しても、レイアウトを変更したことにより配膳ロボットが機能しなくなってしまいます。場合によっては、お客様とぶつかってしまうなど、問題を引き起こす原因となってしまうことも考えられるでしょう。
そのため、配膳ロボットを導入する際は、ある程度店内レイアウトを固めた段階で検討するのが無難といえます。

飲食店によっては、配膳ロボットの導入が適さない場合もあるため注意しましょう。

まとめ

本記事では、配膳ロボットの店舗導入事例や導入効果、配膳ロボットの導入が適している店舗と適さない店舗の特徴を解説しました。
配膳ロボットを店舗に導入する飲食店も増えていくなかで、自店舗への導入を検討している方も多いはずです。本記事で紹介した内容を参考にしつつ、配膳ロボットの導入を検討してみてはいかがでしょうか。