SNSの普及やデジタルガジェットの進化で、いつどこにいても動画を視聴できる時代です。企業にとっても動画を使ったプロモーションは今や不可欠です。
動画を制作するうえで気になるのは、なんといっても費用ですよね。
動画の利用方法は様々ですが、目的によって映像の内容や時間、使用する撮影機材等も違ってくるので、当然、費用も大きく変わってきます。
動画制作は何に費用がかかっているのか?
映像制作会社に動画制作を発注する場合、どのくらいの費用が妥当なのでしょうか?
「動画の費用ってブラックボックス化されてわかりにくそう」
「ぼったくられそうで不安だ」
などと発注に二の足を踏んでいる方もいるのではないでしょうか?
そこでまずは、映像業の費用にはどんな項目があるのかを解説しましょう。
内訳を知っておくことで、発注する際、適切な判断がしやすくなると思います。
企画費
発注者からの制作の目的、コンセプト、ターゲット、予算等を細かくヒアリングした上で、どんな内容の映像に仕上げるのかを企画書等に落とし込み、全体の骨子を固めます。
動画制作の成否を分ける作業といっても過言ではありません。
構成台本作成費
全体の方向性が見えたところで、映像の内容を具体的に決めます。
その際に作成するのが構成台本です。台本はいわば動画の設計図であり、この設計図を元に各パートのスタッフがそれぞれの役割を果たします。
ディレクション費
ディレクションとは、台本の最終決定、撮影や編集に必要なスタッフや機材の配、スケジュール管理、撮影現場や編集作業での指示出しに至るまで、制作現場のあらゆる作業を取り仕切る仕事です。
この動画制作の要となるポジションを担う人をディレクターと呼び、動画制作には絶対に欠かせません。
企画構成や台本作成の作業はシナリオライターが担うのですが、ディレクターが兼任する場合もあります。
撮影費
また、撮影場所にスタジオを使用する場合にスタジオのレンタル費用、モデルや役者を起用すれば、スタイリストやヘアメイクの人件費も別途加算されます。
撮影機材費
撮影カメラ、レンズ、照明、マイクなど撮影に必要な機材の費用です。
機能によって価格が大きく変動する部分です。
編集技術費
編集は撮影した映像のデータをつなぎ、CGなどグラフィック映像などを合成、テロップ等を加えながら、視聴者により伝わりやすい映像に仕上げる作業です。
最近増えているVR(仮想現実)コンテンツなど、映像編集の難易度が高く、動画の尺が伸びるほどスタッフの稼働時間も増え、予算は膨らみます。
グラフィック費
動画内で使用するオリジナルのイラストやCGなどをクリエイターに依頼してデザインしてもらう費用です。
専門サイトからイラスト素材を購入して費用を抑えることも可能です。
動画をより親しみやすく、わかりやすくするのに効果を発揮する部分です。
音響・ナレーション費
編集でつないだ動画に合わせて、BGMや効果音、ナレーションを挿入してゆく作業です。
ナレーターを起用する場合は、別途人件費と収録に使うスタジオの使用料がかかります。
ナレーターの知名度、拘束時間によっても価格は変動します。
BGMについては、JASRAC(日本音楽著作権協会)などが管理するアーティストの楽曲を使うと使用料がかかりますが、無料でダウンロードできるフリーの音源のサービスも多くあります。
動画制作の項目別の費用相場は?
費用項目の内訳がわかったところで、一般的な料金相場を見てみましょう。
撮影費はカメラマンや照明・音響スタッフなどの人件費のほか、機材費の運搬などを担うスタッフの人件費も含まれます。
事前のロケハンや遠方で泊まり込みの撮影があったりする場合は、スタッフの交通費や宿泊費、食事代等もかかってきます。
制作項目 | 費用相場 |
---|---|
企画費 | 3~20万円 |
ディレクション費 | 5~30万円(※制作費の10%とも言われている) |
構成台本作成費 | 5~20万円 |
撮影費 | 5~150万円 |
撮影機材費 | 2~50万円 |
編集技術費 | 5~50万円 |
グラフィック費 | 3~50万円 |
ナレーション・音響費 | 3~30万円 |
値段に大きくばらつきがあるのは、1本の動画制作にかかる人数や時間、使用する機材が依頼内容によって変わる為です。
動画制作の費用は大きく分けて2つあります。
一つは制作に関わるスタッフの人件費、もう一つは撮影や編集に使う機材やスタジオ代などハード面の費用です。
一人が作業を兼任すれば社内人件費は削減できますが、クオリティは落ちます。
一方でクオリティを追求して機材やグラフィックのグレードを上げれば、その分の費用もかかるというわけです。
続いて、動画のタイプ別の費用相場を見てみましょう。
動画タイプ別の費用相場
ここまで動画制作の何に費用がかかっているのか内訳を見てきました。
ここからは、制作する動画のタイプから平均費用相場を解説していきます。
制作項目 | 費用相場 |
---|---|
インタビュー撮影 | 5万円〜 |
セミナー・イベント撮影 | 15万円〜 |
インタビュー撮影は、凝った台本や演出、編集は必要ありません。
シンプルな機材で撮影できるうえ、間接費もかからない為、費用も安く5万円程度が相場です。
セミナー・イベント撮影は、時間が1時間を超えるケースが大半です。
観客を退屈させないようカメラを複数台準備してアングルを変えたり、途中で資料を挿入したりする為、使用する機材や編集の手間がかかります。
会場の大きさによっても変動しますが、相場的には15万円〜のようです。
制作項目 | 費用相場 |
---|---|
Webムービー | 30万円〜 |
紹介・PR映像 | 50万円〜 |
テレビCM | 80万円〜 |
Youtube動画 | 15万円〜 |
Webムービー・紹介PR映像・テレビCMは、台本作成、撮影、編集作業、ナレーション・BGM入れ等、作業内容によって費用が大きく変動します。
映像の尺にもよりますが、Webムービーは30万円〜、紹介・PR映像が50万円〜、テレビCM80万円〜となっています。
また、特殊な機材での撮影(360度カメラ、ドローン)や編集段階で3DCGなどの高度な視覚効果を加えると100万円を超える場合も。
Youtube動画は視聴者が短い尺の動画が好む傾向がある為、広告なら15~30秒、動画コンテンツでも販促目的のものなら10分以内に収まるものが大半のようです。
また、テレビCMなどに比べ撮影機材もシンプルな構成となる為、費用も安く抑えることができるでしょう。平均費用相場は15万円〜です。
・アニメーション動画 30万円〜
アニメーション動画は親しみやすく訴求力も高い為、昨今、多くの企業がプロモーションに活用しています。内容は紙芝居的なスライドショーからセルアニメ、3DCGを使用したものまで様々ですが、平均的な費用相場は30万円〜となっているようです。
まとめ
どんな動画がどれくらいの費用感なのか把握しておくことで、見積もりを取る際の参考となり、発注先とのギャップを減らすことができるでしょう。