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2024/07/11

Googleカレンダーを使った予約管理システムの活用方法

  • 予約管理システム
Googleカレンダーを使った予約管理システムの活用方法

多くの業種で予約管理システムの導入が進んでいますが、Googleの提供しているサービスで「Googleカレンダー予約システム」をご存知でしょうか?ローコストで始められるGoogleの予約管理システムをご紹介します。

目次

予約管理システムとして使う場合のメリットとデメリット

Googleカレンダーを予約管理システムとして使う場合には、メリットとデメリットが生じる事がありますので、正しく理解し上手に活用して下さい。

Googleカレンダーを導入すると得られる代表的なメリットを説明します。

無料・ローコスト

GoogleカレンダーはGoogleのアカウントを作成すると、誰でも無料で利用できるようになります。

簡単な操作

Googleカレンダーはシンプルな作りで誰でも直感的に操作出来ます。導入するに当たって研修などを行う必要がないので、簡単な操作方法だけ覚えればすぐに始める事が出来ます。

共有・公開範囲の設定

Googleカレンダーでは権限を共有する事が出来ますので、従業員やチームで認識を共有する事が出来ます。
また、顧客管理の一環として公開範囲を制限する事も出来ます。

外部予約管理サービスとの連携

外部の予約管理システムと連携する事が可能です。それぞれが持つ強みや特性を活かして、弱みを補いあう事でユーザーに利便性の高いサービスを提供出来るようになります。

Googleカレンダーを使用する際のデメリットを説明します。

デザイン性

デザインはGoogleが提供しているフォーマットのみとなりますので、自社の個性を活かすなどデザインに力を入れたい場合ですと不向きと言えます。

予約者がGoogleアカウントを持っている事が前提

Googleカレンダーでは予約する者(顧客)がGoogleアカウントを持っている事が前提です。顧客がGoogleアカウントを保持していなければ、アカウントを作成して貰う必要がある事が一つのハードルと言えます。

予約詳細

顧客が予約を行う際はGoogleアカウントとメールアドレスなど、必要最小限の情報のみで予約する事ができます。顧客としては簡単に予約する事が出来るので嬉しいサービスですが、サービスを提供するお店としては詳細な顧客情報を獲得できないのがデメリットと言えます。

予約枠

一つの予約枠に対して複数の予約を取る事が出来ません。複数の予約を取る際はあらかじめ「予約枠」を複数作成しておかなければなりません。同時に複数の予約を取るようなビジネスを展開されている方には手間が発生してしまいます。

予約システムツールは様々な会社が開発・提供しています。Googleカレンダーを使う場合もですが、それぞれにメリット・デメリットがありますので、それらを踏まえた上で上手に管理しましょう。

まずはGoogleカレンダーの基本設定から

Googleカレンダーを利用するには始めにGoogleアカウントを作成する必要があります。Googleアカウントを作成してカレンダーの初期設定を行いましょう。

1、まずはGoogleアカウントを作成します。「Googleアカウント」で検索するとページがありますので、右上の「アカウントを作成する」からガイドに従ってフォームに入力していきます。
Google予約機能のためのアカウント作成
画像引用:https://www.google.com/intl/ja/account/about/

2、次に「Googleカレンダー」にアクセスします。先ほど作成したGoogleアカウントを使ってログインします。

3、パスワードなどログイン情報に間違いがなければ「Googleカレンダー」に移動します。
4、設定を変更したい場合は右上の「設定メニュー」(歯車マーク)から編集できます。

カレンダーを共有する

Googleカレンダーを作成できたら従業員やチームで共有しましょう。カレンダーを共有する事でお互いのスケジュールを一目で把握出来るようになり仕事の効率が上がります。
1、「設定メニュー」をクリックするとサイドパネルに「カレンダーを追加」とあります。
Google設定メニュー
「カレンダーを追加」をクリックすると隠れているインジケーターが表示されます。
Google設定メニュー
「カレンダーに登録」をクリックすると追加したいGmailアドレスが表示されるので選択してください。

選択したアドレス宛に「アクセス権をリクエスト」して、相手が承認するとカレンダーの共有が出来ます。
※共有した従業員やチームメンバーに一連の設定を行ってもらい、リクエストが届いたら承認しましょう。
アクセス権限

プライバシー設定を行う

ビジネス上プライバシーを守る為「カレンダーの共有をオフ」にする事があると思います。その手順をご案内します。

1、Googleカレンダーを開いて「設定と共有」をクリックします。
2、一般公開の共有カレンダーを停止するには「アクセス権限」のセクションで「一般公開して誰でも利用できるようにする」をオフにします。

組織との共有をオフにしたい時は「アクセス権限」から「<組織名>で利用できるようにする」をオフにします。

特定ユーザーと共有を停止する場合には「特定のユーザーとの共有」セクションで、特定ユーザーの名前の横にある削除アイコン(×印)をクリックします。

Googleカレンダーの基本設定が完了しました。カレンダーを使い予約管理を円滑に進める為に、次のステップに進む準備が整いました。

予約システムの利用手順

ここからはお店や会社で使えるように、Googleカレンダーを使って予約システムを構築していく為の具体的な手順を解説します。

予約スケジュールの作成

1、Googleカレンダーを開き左上の「作成」をクリックします。
2、「予約スケジュール」をクリックします。
3、スケジュールの「タイトル」を入力します。
4、予約の長さ・日付・時間などの詳細を入力します。
5、予約受付期間・支払い・リマインダーの設定などの詳細を入力します。
6、ガイドに従い「予約スケジュール」を保存、共有します。

予約枠の設定方法

1、新規カレンダーを作成します。
2、予約カレンダーで時間を指定して「予約枠」を設定します。
3、設定した「予約枠」の詳細・注意事項などを設定します。
4、カレンダーの共有範囲を設定して公開します。

予約フォームの作成

Googleフォームを使って予約フォームを作成します。
Googleフォーム
1、Google Chromeから「Google Forms」を探しログインします。
2、「新しいフォームを作成」をクリックします。
3、「空白」または「テンプレートギャラリー」より背景を選択します。
4、必須項目を入力します。
5、任意次項の設定を行い保存します。

カレンダーとの連携方法

StripeとGoogleカレンダーを連携させます。
1、パソコンでGoogleカレンダーを開きます。
2、右上にある設定アイコン(歯車マーク)で「設定」をクリックします。
3、左側にある「全般」から「予約スケジュール」をクリックします。
4、Stripeと連携させるオプションを選択します。
5、Stripeの手順に沿って設定を完了します。

記事引用元:https://support.google.com/calendar/answer/13762729?hl=ja&sjid=15190330016975480148-AP

「予約フォーム」を作成したらカレンダーとの連携をする事でスムーズに予約管理が行えるようになります。

これでGoogleカレンダーを使った予約システムの基本設定が完了し、予約管理が開始できます。

利用料はかかるのか

Googleカレンダーを使った予約システムを構築していく過程では、プランによって有料・無料と違いが出てきます。
無料で使える方法を紹介すると共に、有料プランに切り替えた際の費用とメリットをご紹介致します。

GoogleカレンダーやGmail、GoogleフォームなどGoogle社が提供しているアプリを搭載しているのが「Google Workspace」というアプリになります。
Google Workspace
「Google Workspace」のアカウントを作成しログイン出来るようにしておけば、簡単にそれぞれログイン出来るようになります。「Google Worfspace」自体は有料になります。

無料予約システムを使いたいのであれば「Google Forms」、会議を行いたいのであれば「Google Meet」、スケジュール管理には「Google Calendar」とそれぞれ得意分野が違います。
Google Workspace
イメージとしては「Google Workspace」を通じて全てのアプリを連携させると考えてください。
個人の利用や少人数の会社での運営でしたら、「Google warkspace」を使用しないで無料プランで使用するのでも問題なく使用出来ます。

「Google Workspace」の利用には料金が発生しますが(14日間の無料トライアルあり)、「Google Workspace Essentials Starter」Googleが提供している無料のプラットフォームもあります。
「Essentials Starter」は無料で使えて、試用期間がないのでお得なのですが、独自ドメインを持っていなければアカウントを作成する事が出来ません。
またGmailでの使用も出来ないので、連携できるアプリの幅も狭まります。

では何故有料プランが用意されているのでしょうか?有料プランへ切り替える事によってどの様な違いがあるかを解説します。

機能/特徴無料プラン (Google アカウント)有料プラン (Google Workspace)
メールアドレス@gmail.comカスタムドメイン (@yourcompany.com)
ストレージ容量15GB (Gmail, Google Drive, Google Photos共有)30GB〜無制限 (プランによる)
Google Meet最大100人最大500人 (プランによる)
Google カレンダー基本機能のみ共有カレンダー、カスタムリソース管理
Google ドライブ個人用ドライブ共有ドライブ (チームドライブ)
管理機能なし管理コンソール、ユーザーとデバイス管理
セキュリティと管理基本的なセキュリティ2段階認証の強制、セキュリティセンター、監査ログ
サポートコミュニティフォーラム24/7電話・メールサポート (プランによる)
Google Chat基本機能のみ高度な機能 (部屋の作成、チャット履歴の保存)
Google Forms基本機能のみ高度な機能 (回答の収集、分析オプション)
アドオン制限あり拡張アドオン利用可能
プール地点指定なしデータの地域指定 (プランによる)
アプリ統合基本的な統合拡張統合 (Salesforce, SAPなど)


基本的には無料で使用してそれぞれを連携させる方法でも、充分に能力を発揮できますが、「Google Workspace」を介した方が効率的に連携する事が出来ます。
また独自ドメインの取得や、二段階認証など有料プランは企業向けの使用となっています。

機能/プランBusiness StarterBusiness StandardBusiness PlusEnterprise
価格 (参考)¥680/月¥1,360/月¥2,040/月お問い合わせください
ストレージ容量30GB/ユーザー2TB/ユーザー5TB/ユーザー無制限
ビデオ会議 (Google Meet)最大100人最大150人最大500人最大500人
共有ドライブありありありあり
セキュリティ管理基本拡張高度高度 + データリージョン指定
監査ログとレポート基本基本拡張高度
Google Vaultなしなしありあり
高度なエンドポイント管理なしありありあり
データリージョン指定なしなし拡張統合拡張統合
アプリ統合基本的な統合拡張統合拡張統合拡張統合

料金を比較すると「ストレージ容量」の差などコストをかけると、より大人数向けに運用する事が可能になる事が分かります。

費用を抑えて効果的な予約管理システムを運用するには、それぞれダウンロードして連携させると無料で使用出来ますので、「Googleフォーム」と「Googleカレンダー」を連携して管理システムの構築を行いましょう。
コストパフォーマンスでいうと「Google Workspace」を導入してもある程度費用を抑えながら、効率的に予約管理システムを導入する事が出来ます。

外部ツールとの連携機能

これまでGoogleの提供しているサービスを活かしての、管理システムの運用方法について解説してきましたが、Googleカレンダーと外部の予約管理システムを連携させるとより効果的な運用が可能になります。
またGoogle内でも他のツールとの連携もできますのでご紹介します。

Gmail連携

1、Googleカレンダーを開き、画面右上の「歯車マーク」から「設定」に進みます。
2、左にあるサイドバーより「Gmailからの予定」をクリックし、「Gmailから自動的に作成された予定をカレンダーに表示」をチェックします。
3、次にGmailを開き右上の「歯車マーク」から「設定」に進みます。
4、「全ての設定を表示」をクリックします。
5、「全般」タブを下にスクロールしていくと「他のGoogleサービスのスマート機能とパーソナライズをオンにする」という項目がありますのでチェックします。
6、確認画面が表示されるので間違いがなければ「パーソナライズ」をクリックして完了です。

Googleマップ

1、Googleマップを立ち上げます。
2、目的地・移動手段・到着予定時刻などの詳細を設定します。
3、画面左側のサイドバーにある「カレンダーに追加」をクリックします。

外部ツールとの連携は予約機能の向上に効果的です

Google予約システムの単独利用ですと、ご予約の詳細を確認できないなどのデメリットもあります。
そのような場合には外部の予約管理システムとの連携がお勧めです。

Square

Google予約とSquare
初期費用0円、月額利用料0円〜始められる「Square 予約」は「Googleで予約」との連携が可能です。
顧客管理に特化した「Square 予約」と連動する事で幅広い客層の集客を可能にします。
(Googleカレンダーとの連携は有料プランへの申込みが必要です。)
記事参照元・画像引用:Square 予約

Stores

Google予約とStores
累計導入社数15万人以上の「Stores」は様々な用途・業種に対応している予約管理システムです。
無料で始められるフリープランもありますので予約機能を拡充される予定の方にお勧めです。
注意点としてStoresで入った予約はGoogleカレンダーに同期されますが、Googleカレンダーに入力した情報はStoresに同期されません。
記事参照元・画像引用:
STORES

RESERVA(レゼルバ)

Google予約とRESERVA
予約管理台帳や予約番号の発行など、スクールやサロン・クリニックの予約システム管理に強いRESERVAですが、Googleカレンダーとの連携が可能です。
RESERVAの予約情報をGoogleに反映する事ができ、また逆にGoogleからRESERVAに反映させる「双方向連携」が可能です。
(双方向連携はプランや対応業種によって異なりますので注意してください)
記事参照元・画像引用:RESERVA

終結文
これらは連携できるシステムの一部ですが、詳細な顧客情報を獲得・管理できる予約管理システムとGoogleカレンダーを連携させる事により、それぞれの強みを活かした予約管理システムの構築が可能になります。

業種ごとの活用方法

Googleカレンダーを使った予約システムの業種別活用事例を紹介しますので参考にしてみてください。

飲食店の活用事例

回転すしチェーンの最大手である「株式会社あきんどスシロー」では2012年9月に本社、10月には全店舗にGoogle Workspaceを計1200アカウント導入しました。
2019年にはGoogleの音声AI「Googleアシスタント」から予約ができる新サービスの導入を発表。
それまでもスマートフォンのアプリから予約受付は可能でしたが、予約の方法を増やして顧客の増加へと繋がりました。
記事参照元:https://workspace.google.com/intl/ja/customers/akindo-sushiro/

美容室の活用事例

niwairo.salon様では予約管理システムの「Air RESERVE」を採用しています。採用の決め手は「Googleカレンダー」との連携が可能だからです。
個人サロンですので、お店の予約状況とオーナーのプライベートなスケジュールを両方一元管理する必要があるからです。
記事参照元:https://airregi.jp/reserve/case/130/

「会議室の活用事例」
岸和田商工会議所では地域の約2000を超える会員事業所へのサポートを行っています。これまで職員間でのスケジュール把握が出来ていなかったり、外出先では会議室の空き状況が分からず、会議室予約が困難でした。
そこで「Google Warkspace」を導入した所、オフィスに戻らなくても会議室の空き枠を把握する事が可能になり、業務の効率化が進み働きやすい環境を実現しました。
記事参照元:https://www.softbank.jp/biz/customer-success-stories/202211/kishiwada-cci/

医療機関の活用事例

潤和リハビリテーション振興財団では「Google Workspace」の導入をきっかけにDX化が加速しました。
台風による大水害でサーバーが被害を受けるリスクにさらされたことや、コストの問題から「Google Workspace」へと移行しました。
Googleカレンダーも院内の情報伝達や受付業務・コミュニケーションの改善など、業務効率化を劇的に向上させました。
記事参照元:https://workspace.google.com/intl/ja/customers/junwakai/

これらの活用事例を参考にして頂き、自社の業種に最適な方法でGoogleカレンダーを活用しましょう。

Googleを活用して予約管理を効率化

Googleカレンダーの導入は予約枠機能の整備だけには留まりません。Googleでは様々なサービスが提供されていますので、これらを「連携させて使える事」がGoogleの提供するサービスを業務に取り入れてDX化を推進できる、最大のメリットと言えます。