業務用冷蔵庫の選び方で悩んでいませんか?
厨房機器の1つである業務用冷蔵庫は、縦型冷蔵庫やコールドテーブル、インバーター制御搭載モデルなど種類が豊富です。価格や省エネ性能で比較するだけでなく、設置スペースが確保できるかも検討材料となります。さらに、ホシザキやパナソニック、大和冷機といった厨房機器メーカーごとの違いも判断に迷うポイントの1つです。新品を選ぶべきか、中古でコストを抑えるべきかも悩みどころでしょう。
店舗の業態と設置環境に合わせた最適な1台を選ぶには、冷蔵庫の「種類・機能・価格帯」の違いを理解することが重要です。そこで本記事では、業務用冷蔵庫の選び方のポイントからおすすめメーカーまで、わかりやすくご紹介します。
業務用冷蔵庫とは?家庭用との違いと用途別の種類
業務用冷蔵庫は、飲食店や施設の厨房で使用されることを前提に設計されており、家庭用冷蔵庫とは性能や耐久性、用途に大きな違いがあります。
業務用冷蔵庫は「冷却力の高さ」「連続使用への耐性」「大容量設計」が特徴です。厨房内の動線や省スペース性を考慮して設計された台下冷蔵庫(コールドテーブル)や、冷却効率と省エネ性の両立を実現したモデルなど、家庭用にはない機能があります。
業務用冷蔵庫は以下の用途別に種類が分かれているため、設置スペースや業態に応じて選定しましょう。
冷蔵庫タイプ | 特徴 | 主な設置場所 | 注意点 |
---|---|---|---|
縦型冷蔵庫 | 背が高く収納力が大きい。大量保存向け。種類ごとに管理しやすい | 大型厨房・バックヤード | 高さがあるため設置場所に注意 |
横型冷蔵庫 | 背が低く上部に物が置ける。省スペースで使い勝手が良い。天面利用可能で作業効率が高い | 厨房の隅・カウンター | 容量がやや少なめ |
ドア冷凍冷蔵庫 | 冷蔵と冷凍の両機能を備える。食材の管理がしやすい | 中規模厨房・複数用途対応の調理場 | 価格が高くなりやすい |
コールドテーブル冷蔵庫 | 調理台としても使えて作業効率が高い。省スペースで動線が効率的 | 調理台周辺・作業スペースと一体化 | 収納力は縦型に劣る |
厨房環境に最適な冷蔵庫を導入するためには、家庭用との機能差を理解し、使用目的に合ったタイプを選びましょう。
主な厨房機器メーカー3選丨業務用冷蔵庫の特徴
ここでは、業務用冷蔵庫のおすすめメーカー3選を紹介し、それぞれの特徴を解説します。
- ホシザキ株式会社
- 大和冷機工業株式会社
- パナソニック株式会社
業務用冷蔵庫のメーカー選びで迷っている方は、以下を比較し、自店舗に合った製品を選定すると良いでしょう。
ホシザキ株式会社
出典:ホシザキ株式会社
ホシザキは、業務用冷凍冷蔵庫を国内ではじめて規格化・量産からスタートした会社であり、日本国内の約3台に1台の業務用冷凍冷蔵庫を製造する主要メーカーです。
業務用冷蔵庫から製氷機、コールドテーブル、洗浄機器など、幅広い厨房機器を取り扱っています。冷凍冷蔵機器だけでも、業務用冷蔵庫からテーブル型冷凍冷蔵庫、ショーケース、解答庫など13種類もの機器を提供しているのが特徴です。
大和冷機工業株式会社
出典:大和冷機工業株式会社
冷熱機器総合メーカーの大和冷機工業の厨房用冷凍・冷蔵庫は、2025年4月販売開始の地球環境にやさしい自然冷媒対応製品をはじめ、優れた省エネ性能を発揮するエコ蔵くんシリーズなど、さまざまなニーズに対応する15種類の製品を取り扱っています。
遠隔温度監視システムも販売しており、HACCPに沿った温度管理をすることが可能です。
パナソニック株式会社
出典:パナソニック株式会社
パナソニックの業務用冷蔵庫は、大きく分けてKBシリーズと、大容量が特徴のBig蔵があり、シリーズごとに異なるサイズ展開が用意されています。
KBシリーズは一般的な縦型と、コールドテーブルタイプの横型に分かれており、省エネ・使いやすさ・節電・ネットワーク対応が特徴です。公式サイトでは年間消費電力や省エネ率が掲載されているので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
業務用冷蔵庫の選び方のポイント3つ
業務用冷蔵庫は高額かつ長期使用が前提の厨房機器です。業務用冷蔵庫の選定時は、以下3点をチェックしましょう。
- サイズと設置場所を確認
- 消費電力と省エネ性能を比較
- 大型かコールドテーブルタイプかを比較
それぞれ詳しく説明します。
サイズと設置場所を確認
業務用冷蔵庫を選ぶ際は、設置場所の寸法に加えて、通路や作業動線に支障が出ないかも確認しましょう。
厨房への設置にあたっては、幅・奥行・高さ(cm単位)を正確に把握することが大切です。特に大型タイプは、高さや扉の開閉スペースを考慮しなければ搬入できない場合があります。業務用冷蔵庫はモデルごとに外形寸法が異なるため、事前にレイアウトと寸法を確認し、設置場所に合う商品を商品コードで正確に選びましょう。
消費電力と省エネ性能を比較
業務用冷蔵庫は24時間稼働が基本であるため、省エネ性能の高いモデルを選べば、運用コストを大きく抑えられます。初期費用だけでなく、長期的な電気代も確認しましょう。
例えば、インバーター制御搭載の冷蔵庫は、使用状況に応じて出力を自動調整でき、電気代の削減に効果があります。環境負荷の低い自然冷媒を採用した冷蔵庫もおすすめです。
省エネ型冷蔵庫は補助金・助成金の対象になっていることがあり、コスト削減にもつながります。
大型かコールドテーブルタイプかを比較
厨房の規模やオペレーションに応じて、縦型冷蔵庫か台下型のコールドテーブル冷蔵庫を選ぶと作業効率が大きく変わります。
縦型冷蔵庫は収納量が多く、バックヤードへの配置で食材のストックを一括管理できます。
一方、コールドテーブル冷蔵庫は作業台兼用のため、調理台下に配置することで作業動線を短縮でき、効率的な厨房運営が可能です。
調理規模や食材の種類に応じて、収納力を重視するなら縦型、作業効率を重視するならコールドテーブルといったように比較し、最適な選択をして店舗の生産性を高めましょう。
業務用冷蔵庫は新品と中古どちらがおすすめ?
業務用冷蔵庫を導入する際、長期間の使用を前提とし、最新機能や保証を重視するなら新品、初期コストを抑えたい場合や短期・仮設的な利用なら中古がおすすめです。
新品の業務用冷蔵庫は、最新のインバーター制御搭載モデルや自然冷媒対応製品が選択でき、省エネ性や冷却安定性に優れています。また、メーカー保証がしっかり付属しており、万が一のトラブルにも対応しやすいため、長期使用を前提とする店舗や施設では安心感がある点もメリットです。
一方で、中古の業務用冷蔵庫は販売価格が安く、初期費用を大幅に抑えられる点が最大の利点です。ただし、保証の有無や配送条件(送料・発送日指定OK送料無料ラインなど)を事前に確認しましょう。
導入する厨房の環境や予算、使用頻度に応じて、インバーター制御や省エネ性能の有無、商品ランクや保証の条件を比較し、自店に最適な冷蔵庫を選定することが、賢い厨房機器選びの第一歩です。
新品の冷蔵庫を導入する場合、導入目的や活用方法によっては、助成金・補助金制度を利用できる場合があります。厨房機器の導入時に役立つ具体的な助成金・補助金については以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
参考記事:【2025年最新】厨房機器の導入で使える助成金・補助金5選|中小飲食店・個人事業主向け申請ガイド
厨房機器としての業務用冷蔵庫に最適な一台を選びましょう
業務用冷蔵庫の導入は、厨房の効率と食品の品質を左右する大きな投資です。縦型・台下型・冷凍冷蔵庫などのタイプをはじめ、インバーター制御や自然冷媒といった省エネ機能を備えた製品も増えています。ホシザキやパナソニックといった信頼性の高いメーカーは、長期使用を前提とした性能・サポート体制も充実しています。
中古製品を検討する際は、「商品ランク」「保証の有無」「発送対応地域」なども確認しましょう。厨房機器としての冷蔵庫は単なる保存設備ではなく、店舗運営の効率性を支える基幹設備です。長期的な視点でコストと性能のバランスを見極めることが成功の鍵となります。
新規開業に役立つ、そのほかの厨房機器一覧は以下記事にてまとめていますので、ぜひお役立てください。
参考記事:【最新版】厨房機器一覧まとめ|飲食店・施設に必要な業務用厨房機器とメーカー比較ガイド