決済は、店舗を運営する上で大切なソリューションの一つです。
POSで得られた情報を分析することで、現状課題の把握と乗り越えるための正しい戦略を立てることができ、売上を向上させられます。
しかし、目の前の業務に追われ、店舗戦略の立案や分析など正しい意思決定をする時間が確保できていない店舗も多い中で、Squareはどのようにサポートしているのでしょうか。
今回は、Square株式会社の日本におけるプロダクトマーケティングの責任者である横山潤様にインタビューしました。
ズバリ貴社が得意としている店舗施設の課題解決は何かを教えてください。
オフライン・オンラインも含めた店舗全体のオペレーション効率化の支援です。
たとえば、飲食店では予約、注文、調理、提供、決済体験など、小売店では在庫管理業務など各ステージにおいて弊社のソリューションを提供することで、オペレーションの効率化が可能になると考えています。売上分析やメニュー開発で必要なデータの提供なども、弊社のハードウェアとソフトウェアを通して支援を行っています。
相性が良い業種・業態はありますか?
幅広くご利用いただいていますが、あえて挙げるとすると飲食業、小売業、美容関連(美容院など)などが多いです。
店舗が抱える課題はどういったものが多いですか?
本当に幅広くあると思いますが、直近でよくお客様からお聞きするのは「現状のオペレーションに対して人員が足りていない」という声です。
これを人で補おうとすると人件費が多くかかってしまうという課題がありますが、
お会計に時間がかかったり、そもそもオーダーを取りに行く人手自体が足りなかったりもします。
また、データの蓄積不足によって、飲食店であれば季節メニューの改変、小売店であれば在庫発注やスタッフ配置など、一つひとつの意思決定を行う際の情報が不足しているという課題もよくお聞きします。
この意思決定を行う際にはデータ分析がコアになりますが、「そもそもどのように分析すればいいかわからない」などの課題もあったりしますね。
その課題をどのように解決サポートしていますか?
ハードウェアとソフトウェアの両面で解決サポートをしています。
飲食店の場合、「Square ターミナル」などの決済端末を使い、POSレジのソフトウェアと連携することで、オーダー管理や決済の効率化を図れます。
たとえば、フロアプランという機能によって、店舗のレイアウト図を登録しておくと、テーブル1卓、2卓など、テーブル単位でお客様がいつ入店されて、そこから何分経過しているかがわかり、決済だけではなくオーダーもとれるようになります。
オーダー内容はキッチンディスプレイに反映され、キッチンスタッフも確認でき調理に入れます。
端末を持ち歩くこともできるので、テーブル上でクレジットカードや電子マネーの決済を行い、レシートの発行までワンストップで対応可能なため、全体のオペレーションをカバーできるようになっています。
さらに、POSレジのデータを蓄積・分析することで、どの時間帯にどの商品が売れたかなどのデータを基にメニュー開発や店舗運営をサポートしています。
複数店舗を経営されている場合でも、1つのIDとパスワードでパソコンから各店舗の売上データを確認でき、各店舗の状況に応じた意思決定が可能です。
飲食店以外にも、「Square予約」という機能を活用して美容院のオンライン予約や、「Square リテールPOSレジ」を使って小売店の在庫管理など、業種に特化したソリューションを提供しております。
決済だけではなく店舗のオペレーション課題をさまざまな側面からサポートされているんですね。
そうですね。あとは、「Square請求書」という機能でオンラインでの請求書発行ができる点も強みだと考えています。
事例をふまえてご紹介できればと思っています。
カヌレ専門店を運営しているお客様がいらっしゃいまして、通常はカヌレを店頭で販売していますが、法人のお客様から大口の注文があった場合、従来は紙の請求書を発行し請求管理を行っていました。そこで「Square 請求書」のサービスを使っていただいたことにより、オンラインで請求書をすぐに発行し、メールでリンクを送るだけで24時間いつでも決済を受け付けられるようになり、請求業務が効率化されたという事例があります
さらに、「Squareオンライン」といったサービスもあり、ゼロからEコマースサイトを立ち上げることもできるなど、オフラインとオンラインの連携ができる点もSquareの大きな特徴だと思います。
Squareの中にさまざまなソリューションが詰まっているということですね。
そうですね。まさに先ほどのご紹介したカヌレ専門店さんは、決済だけでなく「SquareレストランPOSレジ」や「Square請求書」など、幅広いソリューションを活用していただいております。
もともとの課題としては、スタッフの手間や人件費の削減が大きなテーマでした。
その課題に対して、「Squareターミナル」を複数店舗に導入いただき、注文をスムーズに行い、「SquareレストランPOSレジ」でテーブルの利用時間を設定し、タイマーによって決済のタイミングや退店案内も一目でわかるなど、店舗全体のオペレーションが効率化されました。
次に2024年3月にSquareレジスターという新しいハードウェアの発売を開始しまして、コーヒー屋さんに導入いただいた事例のお話です。
この端末の特徴として、スタッフ側の画面とお客様側の画面が両面揃っている点があります。セルフレジのような感覚で、お客様自身で決済を進めていただくことが可能になり、その間にコーヒーの準備ができるためオペレーションが効率化され、お客様とのコミュニケーションが増えたという事例があります。
決済はお店のオペレーション業務の中で小さな部分ではありますが、毎日何百回と決済を繰り返すような店舗様の場合、少しでも効率化することによって、本質的なサービスに時間を使えるようになるんだなと我々も教えていただきました。こういったフィードバックを聞けると非常にうれしいなと思います。
さまざまなソリューションがある中でお客様から喜ばれているポイントを教えてください。
拡張性のしやすさという点が非常にご好評いただいていると思います。
Squareの特徴としては、ビジネスの規模に合わせてさまざまなソリューションを提供している点です。
比較的小規模な店舗では決済のみのソリューションが必要なこともありますし、逆に複数店舗や数十店舗、数百店舗を運営しているお客様には、データ分析や在庫管理など、より複雑なオペレーションの設計が求められることもあります。
こういった場合、まずは決済からご利用いただき、店舗の成長に合わせてSquareの予約機能やオンライン請求書機能など必要なソリューションを提供できており、かつ同じUI・UXの使い心地を保ちながら機能拡張できる点が、ご好評いただいている部分なのかなと思います。
ビジネスの成長とともに、必要な機能が増えてきた場合、他社のソリューションでは変更を迫られることもあるかもしれませんが、弊社では小規模な店舗から大規模な店舗まで対応できる幅広いソリューションを、ハードウェアとソフトウェアの両面で自社開発しているからこそ、柔軟に提供できると考えています。
貴社を一言で表すとどんな課題解決のプロですか?
店舗全体のオペレーション効率化のプロフェッショナルでありたいと思っています。
弊社は決済サービスからビジネスを始めましたが、お店の規模が拡大するにつれて、より複雑なオペレーションや課題が生じることもあります。そうした課題を解決するために、プロダクトの開発・拡充を行ってきました。
我々は「ギブタイムバック(Give Time Back)」という「時間を返す」という考え方を持っており、店舗の方々が本来時間を使うべき“お客様とのコミュニケーション”や、“来季期メニューの開発”、“サービス品質の向上”など本質的なところに時間を使っていただきたいと思っております。
弊社のソリューションで店舗全体のオペレーションの効率化を行うことで時間が生まれるため、その分の時間をビジネスに直結する本質的な業務に使っていただけるように支援していきたいと考えています。
最後に今後の展望を教えてください。
我々のビジネスは加盟店様と共に成長してきた部分があり、決済の部分から始まり、店舗全体のオペレーションをサポートするために機能を拡充してきました。
今後も、加盟店様の声を聞きながら、ハードウェア・ソフトウェアの両面でアップデートを行い、日本国内の加盟店様の運営効率化にどう貢献できるかを常に考えていきたいと思います。
今後もさまざまな機能アップデートをアナウンスできると思いますので、ぜひご期待いただければと思います。
―――ありがとうございました。