業務の進め方や作業手順、設備・ツールの操作方法などを教える際、社員が指導する負担を軽減するのに役立つのがマニュアルです。
業務マニュアル作成の方法はさまざまですが、テンプレートを活用すればマニュアル作成のノウハウをもっていなくても、スムーズに作成できます。
本記事では、マニュアル作成に役立つテンプレートサイトを5選紹介しながら、テンプレートサイトを活用するメリット・デメリットについて解説します。また、マニュアルを作成する方法の選び方についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
マニュアル作成にテンプレートを活用するメリット
マニュアルを作成する際に、テンプレートを活用するメリットは、以下の3点です。
- マニュアル作成のノウハウがなくても作成できる
- マニュアルに必要な項目の抜け・漏れを防げる
- 作成にかかるコストが安い
ここからは、マニュアル作成のテンプレートを活用することで、具体的にどのような効果があるのか、テンプレートの強みやメリットについて解説します。
マニュアル作成のノウハウがなくても作成できる
マニュアル作成のテンプレートは、これまでにマニュアルを作成したことがない人でも作成しやすい点がメリットです。
テンプレートに必要な情報を入力していけば良いため、作成担当者にノウハウがなくても作成手順に沿っていけばマニュアルが作成できます。
また、ゼロベースで作成するよりも、マニュアル作成に必要な情報が明確に提示されていることから、作成時間そのものの短縮につながるのも特徴です。
テンプレートなしで作成するのと比べて、初心者でも見やすくわかりやすいマニュアルが作成できるでしょう。
マニュアルに必要な項目の抜け・漏れを防げる
マニュアル作成にテンプレートを活用すると、マニュアルに必要な項目の抜けや漏れを防げるメリットもあります。
テンプレートなしでマニュアルを作成すると、必要な項目が抜けて理解しにくい内容になりかねません。情報に抜けや漏れがあるマニュアルを見た従業員が、間違った知識を身に付けてしまう恐れもあります。
このようなリスクを避けるためにも、マニュアル作成のノウハウをもっていない場合は、テンプレートを活用して作成した方が良いでしょう。
作成にかかるコストが安い
マニュアル作成にかかるコストが安いのも、マニュアル作成のテンプレートを活用するメリットの1つです。
マニュアルを作成する方法は、テンプレートを活用して自社で作成する方法のほかに、マニュアル作成を請け負っている企業に依頼して作成してもらう選択肢もあります。
しかし、マニュアル制作会社に依頼した場合、数十万円単位の費用が必要になるケースも少なくありません。
一方で、テンプレートを活用すれば、最小限のコストでマニュアルが作れます。テンプレートの中には、無料で利用できるものもあるので、コストを抑えて作成したい方に最適です。
マニュアル作成にテンプレートを活用するデメリット
マニュアルを作成する際に、テンプレートを活用するデメリットは以下の3点です。
- テンプレートにない情報が盛り込めない
- テンプレートが合わない場合もある
- スマホからの閲覧や編集に対応できない
これらのデメリットが、マニュアル作成においてどのような弊害となる可能性があるのか、詳しく解説します。
テンプレートにない情報が盛り込めない
マニュアルを作成する際にテンプレートを活用するデメリットは、テンプレートに含まれていない情報が盛り込めない点にあります。
とくに、複雑な操作や専門的な判断が必要になる設備の操作・業務で扱うマニュアルの場合、テンプレートでは対応しきれません。
単純なマニュアルであればテンプレートで作成できますが、難しい内容を盛り込む場合は作成ツールや作成代行サービスを利用した方が良いでしょう。
テンプレートが合わない場合もある
マニュアルを作成する際に、テンプレートが合わないことがあるのもデメリットの1つです。
マニュアルを作成したい業務や、設備の操作方法などにマッチしているテンプレートを選ばなければ、想定しているマニュアルは作成できません。
とくに、複雑な図解や動画での解説を盛り込みたい場合などは、テンプレートで対応できない場合もあるので注意しましょう。基本的なオペレーションマニュアルであれば、テンプレートで作成できます。
マニュアルを独自にカスタマイズしながら作成したい場合は、テンプレートよりも作成ツールや作成代行サービスの利用がおすすめです。
スマホからの閲覧や編集に対応できない
スマホからの閲覧や編集に対応できないものが多いのも、マニュアルを作成する際にテンプレートを活用するデメリットです。
マニュアル作成のテンプレートは、基本的にパソコンを使用して閲覧・編集することを想定されています。そのため、社内の共有パソコンで閲覧するか、社員一人ひとりにパソコンを支給しなければ活用できません。
スマホで閲覧・編集できるマニュアルであれば、場所や時間を問わず勉強や確認・編集ができます。
社員のスマホから閲覧・編集できるようなマニュアルを作成したい場合は、マニュアル作成ツールやマニュアル作成代行サービスなどを活用しましょう。テンプレートでは対応できないこともあるので注意してください。
マニュアル作成のテンプレートサイトおすすめ5選
ここからは、マニュアル作成に役立つテンプレートが利用できるおすすめサイト・サービスを5選紹介します。
bizocean(ビズオーシャン)
出典:トライベック株式会社
<bizoceanのおすすめポイント>
- Word版・PowerPoint版・Excel版などフォーマットが豊富
- 実務レベルで活用しやすいマニュアルテンプレート
- マニュアル以外にもさまざまなテンプレートがある
bizoceanは、国内最大級のテンプレートサイトで、マニュアルはもちろん、請求書やプレゼン資料などのテンプレートも利用できるサイトです。
基本的には無料でダウンロードできるものがほとんどですが、一部有料のものもある点に注意しましょう。
庶務業務マニュアルや棚卸実施マニュアル、社内全体に関わる業務マニュアル、採用における応募者問合せ応対マニュアルなど、種類が豊富です。
また、オンラインで共有する際には、PDF化はもちろん、Googleスプレッドシートやドキュメントなどのフォーマットとしても活用できます。
参考サイト:bizocean公式サイト
SILAND.JP
出典:SILAND.JP
<SILAND.JPのおすすめポイント>
- 会員登録不要で利用できる
- 操作マニュアル・運用マニュアルなどにおすすめ
- グリーン、ブルー、モノクロを基調とした3色のデザインで見やすい
SILAND.JPは個人によって運営されているテンプレートサイトで、会員登録不要ですぐに利用できる点が特徴です。
操作マニュアルや運用マニュアルなどの作成ができるほか、見積書やシフト管理表、定款・社内規定などのテンプレートも利用できます。
基本的に無料ダウンロードすれば利用できるため、テンプレートを初めて活用する際のお試し利用にもおすすめです。
テンプレートBANK
出典:ティービー株式会社
<テンプレートBANKのおすすめポイント>
- マニュアル以外のテンプレートも豊富
- マニュアルに挿入できる画像やイラストもダウンロード可能
- 無料のものから有料のものまで用途に合わせて選択できる
テンプレートBANKは、約5,000種類ものテンプレートが利用できるサイトです。マニュアル作成向けのテンプレートもあり、有料のテンプレートだけでなく無料のものも多くあります。
テンプレートBANKの強みは、テンプレートに挿入できる画像やイラストもサイト内でダウンロードできる点です。
素材をほかのサイトからもってくる負担がないため、スムーズにマニュアルを作成できます。
参考サイト:テンプレートBANK公式サイト
Microsoft 365
<Microsoft 365のおすすめポイント>
- Word・Excel・PowerPointの開発元が提供しているサービス
- タスク管理・ToDoリストのマニュアルなどの作成におすすめ
- Microsoft Officeが使用できる環境なら利用可能
Microsoft 365は、オフィスツールとして多くの企業で利用されているWordやExcel、PowerPointなどを提供している企業です。
Microsoft Officeが使用できる環境であれば、誰でも利用できます。複雑な操作マニュアルや業務進行マニュアルなどのテンプレートはないものの、一般的なタスク管理マニュアルやToDoリストを作成したい場合に便利です。
そのほか、プレゼン資料や請求書、ビジネス文書などのテンプレートも豊富にあります。
参考サイト:Microsoft 365公式サイト
経費削減実行委員会
出典:株式会社オーナー’s
<経費削減実行委員会のおすすめポイント>
- PowerPointでのマニュアル作成におすすめ
- 業務引き継ぎ資料のマニュアル作成テンプレートがある
- 業務効率化や経費削減につながるテンプレートが豊富
経費削減実行委員会は、業務効率化や経費削減に役立つテンプレートやフレームワークが利用できるサイトです。
テンプレートごとのダウンロード数も表示されるため、人気の高いテンプレートを見極めて活用できます。
業務整理や業務品質の統一を目的にマニュアルを作成したい場合は、このサイトのテンプレートを活用すると良いでしょう。
とくに、業務の引き継ぎ資料に関するマニュアル作成のテンプレートが支持されており、異動や退職時の引き継ぎ作業がスムーズに行える点が特徴です。
そのほか、業種ごとによく利用される無料テンプレートもまとめられているため、マニュアル作成以外の資料や文書の作成にも活用できます。
参考サイト:経費削減実行委員会公式サイト
マニュアル作成方法の選び方
ここからは、マニュアル作成の方法を選ぶ際のポイントについて解説します。テンプレートを活用して自力で作成すべきか、作成ツールの導入や作成代行サービスの活用を検討している際は、状況に応じて判断することが大切です。
シンプルなマニュアルならテンプレートがおすすめ
共通業務マニュアルとして、シンプルな業務内容の全体像を伝えるためのマニュアルを作成したいのであれば、テンプレートの活用がおすすめです。
動画を使わず、文字や画像などのみで解説できる範囲であれば、テンプレートでも対応できるでしょう。
マニュアル作成のテンプレートは、基本的な業務の進め方や設備・ツールの使い方など、全体の流れや手順を伝えたい場合に適しています。
複雑なマニュアルには対応できませんが、マニュアル作成にかかるコストを抑えたい場合にも最適です。
複雑な内容ならマニュアル作成ツール・作成代行サービスがおすすめ
複雑な内容のマニュアルを作成したい場合は、マニュアル作成ツールやマニュアル作成の代行サービスを活用すると良いでしょう。
マニュアル作成ツールの中には、画像や動画編集機能が備わっているものも多くあります。また、作成代行サービスに依頼すれば、プロのノウハウでわかりやすいマニュアルを作成してもらえるでしょう。
自社内にノウハウがなく、自力でのマニュアル作成が難しいときは、作成ツールや代行サービスの利用がおすすめです。
ただし、作成ツールの導入や代行サービスの利用には費用がかかります。
費用がかかっても、わかりやすいマニュアルを作成したいという場合は代行サービス、コスト抑制も両立したい場合はマニュアル作成ツールなど、使い分けると良いでしょう。
まとめ
マニュアル作成のテンプレートを活用するのは、ゼロベースで作成するよりも時間短縮につながり、見やすいマニュアルを作れるメリットがあります。
一方で、動画マニュアルや操作説明マニュアルなど、複雑なマニュアルの作成には適していない面があるのも事実です。
まずは、社内で具体的にどのようなマニュアルを作成したいのか、閲覧や編集はスマホで行うかなど、運用方法まで明確にしておく必要があります。
その上で、導入するマニュアルをテンプレートで作成するか、作成ツール・作成代行サービスを活用するかを決定すると良いでしょう。