企画書/予算/納期が決まり、準備が整ったところで制作会社にコンタクトします。
本格的な制作に入る前に依頼先とどんなやりとりが待っているのか解説していきましょう。
ヒアリング
制作会社に問い合わせをして、最初に行われるやりとりがヒアリングです。
「動画を制作する目的」
「達成したい目標」
「なぜ動画でなければならないのか?」
「具体的なターゲット像は?」
「伝えたいメッセージは?」
「動画を発信したい配信先は?」
上記の項目の他、予算・納期などあらかじめ仕上げておいた企画書をベースに,、制作会社に要望を詳しく伝えて
「こんな動画を作りたい」という想いを共有します。
提案書&見積書が届く
ヒアリングの後日、制作会社から提案書と見積書が提出されます。
提案書には大まかな流れを示す絵コンテやストーリーラインなどが提示されてくる場合が多いです。
ヒアリングの際に伝えた要望とずれていないか、そのうえで映像企画のプロならではのキャッチーなタイトルやムービーのアイデアが盛り込まれているか、等を吟味しながら企画の内容を相談してください。
また、見積書に提示される金額は、下記のような項目が合算されています。
- 企画費
- ディレクション費
- 構成台本作成費
- 撮影費
- 撮影機材費
- 編集技術費
- グラフィック費
- ナレーション・音響費
見積もりの内訳で不明な点がある場合は曖昧にせず確認しましょう。
動画制作は、内容の修正や撮影スケジュールの遅延、特殊な機材の使用によって追加料金が発生する場合もあります。
追加料金の項目の有無なども確認しておきたいところです。
発注する
提案書の中身を吟味し、見積価格の交渉を経て任せても大丈夫、という判断に至れば、正式に発注となります。
注意点として、契約書にサインをする前に以下の点について確認しておきましょう。
① 権利の帰属先(著作権・肖像権)
動画の利用範囲や素材の権利は誰のものなのか確認します。
著作権は制作した側に発生する権利で、基本的な考え方として、動画コンテンツの著作権保有者は動画制作会社で依頼する側が有するのは著作利用権(著作物を利用する権利)です。
また、肖像権は動画の出演者に発生する権利のことです。
これらの権利が誰のものになるのか、また素材映像の使用範囲はどこまでがOKでどこから著作権侵害なのかを事前に確認しておくことでトラブルを回避できます。
②情報漏洩対策
未発表の新商品やサービスの情報などが盛り込まれる場合は、機密保持に関する誓約・取り決めを必ずしておきましょう。
発注準備が完了
入念な準備を終え、制作会社に発注を終えたら、いよいよ本格的に動画制作に突入です。
動画は制作するタイプよって工程が大きく変わってきます。
続いては動画のタイプ別に流れを見ていきましょう。
動画制作の流れ:アニメーション動画の場合
続いてアニメーション動画の制作工程を解説しましょう。
近年、アニメーション動画をプロモーションに活用する企業がとても増えています。
プリプロダクション
制作前の準備段階では以下のような工程があります。
スケジュール作成
実写動画同様、制作をスムーズに進行させる為に準備します。
どの工程をいつまでに終わらせれば良いのか、納品日から逆算して決定します。
絵コンテ・台本の作成
実写動画同様、発注者からのヒアリング内容を元に、細かいストーリーの流れ、セリフやテロップラを落とし込んだ絵コンテを作成します。
素材・イラスト制作
絵コンテが出来上がったところで、アニメーション動画の元となるキャラクターや背景といった素材・イラストを作ります。
発注者は、ここで出来た素材を確認してアニメーションの世界観に問題がないかチェックします。動画の完成後にイラストの修正となると膨大な手間となってしまうのでしっかり確認しておきましょう。
アニメーション制作(編集)
素材・イラストが完成したらアニメーション制作に移ります。
コンピュータを使用して何枚ものイラストを連続的に表示し、少しずつ変化させながら動きを滑らかに仕上げていきます。
完成した時点で発注者に初稿を提出。やりとりを重ねながら、修正を加えていきます。
音入れ・ナレーション
映像が出来上がったら、BGM・効果音・ナレーションを挿入します。
キャラクターのいるアニメーションであれば、声優が映像に合わせて声を吹き込みます。
制作費を抑えたアニメーションはイラスト作成の段階でナレーションやBGMを作成して、音に合わせて編集するケースも多くあります。
まとめ
以上、「実写」と「アニメーション」の動画制作の流れをご紹介しました。
どちらも企画の意図を制作側にしっかりと伝え、密にコミュニケーションを取りながら、追加費用をかけずに満足度の高い動画を完成させましょう!
動画制作の流れ:ウェビナーなどのリアルタイム配信動画の場合
コロナ禍でリアルなセミナーの開催が難しくなっています。
代わりに台頭してきたのが、Zoomなどを使って無観客で動画配信するオンラインセミナー、いわゆるウェビナーなどのリアルタイム配信動画です。
「話題なのは知っているが何から始めたら良いかわからない」
「どんなツールを使えば良いのか?」
興味はあるけれど、一歩を踏み出せずにいる初心者の方の為にウェビナー動画配信のメリット、企画から配信するまでの流れをリアルタイム配信のケースに絞って解説します!
ウェビナー動画配信のメリットとは?
実際に会場に足を運ぶセミナーと比較して、ウェビナーにはどんなメリットがあるのか見ていきましょう。
メリット① コストが抑えられる
ウェビナーを導入する大きなメリットとして、イベントや研修にかかるコストを抑えられる点があります。
実際のセミナーの場合、会場費や、配布する資料のコピー代、移動の交通費などがかかります。その点、ウェビナーは自社の会議室からでも配信でき、移動の必要もなく、資料もデータを共有するだけで済みます。
また、制作した動画は再編集して社内研修に活用したり、youtubeにアップするなど流用が可能なのでリーズナブルです。
メリット② 参加者を集めやすい
実際のセミナーの場合、特定の会場に足を運ぶ必要がある為、近隣の参加者に絞られ、遠方からの集客は期待できません。
その点、ウェビナーはネット環境さえあれば、日本はおろか世界中どこからでも参加が可能です。
ただ、気軽に参加しやすい分、離脱も簡単な為、セミナー後のアクションに繋げるという点ではリアルセミナーの方が有利です。その為、いかに次に繋げるかという対策が重要となってきます。
メリット③ 顧客とのコミュニケーションが活性化
大人数を相手にするリアルセミナーはコミュニケーションが一歩通行になりがちです。その点、オンライン上ではQ&A機能を使って、周囲を気にせず質問できる環境が整っているので双方向の密なコミュニケーションが可能になります。
動画制作の流れ ウェビナー動画の事前準備
ウェビナー動画制作の流れを以下3つの工程に分かれます。
- 事前準備
- ウェビナー本番
- ウェビナー実施後
まずは事前準備から解説しましょう。
企画の内容を固める
既に制作会社に発注する時点で、企画は固まっているとは思いますが、
企画の必須項目を今一度、確認しておきます。
- 目的は何か?
- ターゲットは誰か?
- 達成したいゴールは?
- どんなメッセージを伝えるか?
- なぜリアルタイム配信でなければならないのか?
- 開催日時はいつか?
配信ツールを決める
ウェビナー配信を行うには専用のツールが必要になります。
初心者にオススメのツールは以下のツールです。
Zoom Skype Liveon
Adobe connect Microsft teams wellcast
定員数、録画・QA・アンケート機能の有無、費用などを比較しながら自社に最適と思われるツールを選び、画面設計をしましょう。
クオリティを追求したい場合は、PC外付けのwebカメラ・三脚、音声マイクなどを準備しても良いでしょう。
資料作成
編集せずに映像を流しっぱなしにするセミナー動画は、内容が退屈になりがちです。そこで資料を適宜挿入しながら、情報を補完し、理解を深めるとともに視聴者を退屈させないよう工夫が必要です。
集客の実施
開催日時が決まれば、速やかに集客を実施します。
ウェビナー配信は、コストを抑えることができる反面、会場の掲示物やチラシ配布等の集客方法が使えません。よってSNSやブログ等、web上での集客活動が重要となります。
動画制作の流れ:ウェビナー本番
動作環境のチェック
ウェビナー動画は画質やマイクの音質によって参加者の評価が大きく変わってしまいます。
映像や音声が途切れたり、ノイズが入るとストレスになるのです。また、他の作業をしながら音声だけを聴く視聴者も少なくないので音声には注意を払いましょう。リハーサルは入念に行い、アクシデントが起きるリスクを減らしておきたいところです。
セミナー本番
話すスピードはゆっくりめで。淡々と話さない、呼びかける、グラフなどの資料を挿入して視覚的に引きつける、などトークが単調にならないよう変化をつけます。
アンケートのお願い・Q&A
コミュニケーションが一方通行にならず、参加者のアクションを促す施策も不可欠となります。
動画制作の流れ ウェビナー実施後
ウェビナーは動画を配信して終わりではありません。
実施したことで、どんな効果が得られたのか?
下記の作業を必ず行い、しっかり分析をしておくと、次回のウェビナーや今後のマーケティング戦略に活かすことが出来ます。
- アンケート内容の確認
- QA未回答のフォロー
- フォローメール送信
配信ツールの中には、アンケートやユーザー分析機能が備わっているツールもあります。どの時間帯にアクセスが集中したのか?どの項目でチャットが盛り上がったのかなど、実際のセミナーでは測れない貴重な情報も収集することが出来ます。
まとめ
以上、ウェビナーの動画制作のメリットと制作の流れについて解説してきました。
今後、Zoomを始めライブ配信ツールの浸透によって、ますますウェビナーの需要が増えてゆくことが予想されます。
視聴者を最後まで飽きさせないウェビナーにする為、本記事で紹介したポイントを押さえておきましょう。