配膳ロボットの仕組みとは
配膳ロボットの仕組みについてポイント別に解説します。
障害物などを認識し安全に走行できる
配膳ロボットには、3Dカメラや障害物を感知するセンサーが搭載されています。
これらの仕組みによって、店舗内の障害物や人間を感知し、自動で避けながら安全に走行することが可能です。
飲食店における配膳・下膳業務では食器やグラスなどを落とさずに運搬することが不可欠です。安全面を考慮しても、安全に走行できる配膳ロボットの仕組みは大きな強みといえます。
カメラセンサーが搭載されている
配膳ロボットをはじめ、サービスロボットを効率的に運用するうえで重要となるのがタスクの管理です。人の手で一からタスクを入力するとなると、それなりの手間がかかります。
その点、配膳ロボットにはカメラセンサーが搭載されているモデルがあり、配膳の完了を感知することができます。この機能により、迅速に次のタスクに移行することが可能です。
ある程度配膳ロボットそのものがタスクを感知できる仕様により、業務効率化に貢献できる点も強みの一つといえます。
AIによる会話機能が搭載されている
配膳ロボットの中には、配膳・下膳業務以外の機能を搭載しているモデルがあります。中でも飲食店において力を発揮できるのは、AIによる会話機能が搭載されているモデルです。
会話機能を活用することで、従業員でなくても配膳ロボットがお客様に声掛けをすることができます。これにより次の注文を促すなど、店舗の売上アップにも貢献することができるでしょう。
また、会話機能が搭載されているモデルは特に子連れ客からの好感を得やすいことが予想できます。客層次第では、AIによる会話機能が搭載されている配膳ロボットの導入が効果的な場合もあるでしょう。
このように、配膳ロボットには店舗で安全に運用するためのさまざまな仕組みが搭載されています。
配膳ロボットの導入メリットとは
配膳ロボットの導入は、飲食店の業務効率化と人手不足解消を両立できる有効な手段として注目されています。
主なメリットとしては、ロボットが料理の配膳や下げ膳を担うことで、スタッフは接客やサービスに専念でき、店舗全体のオペレーションが効率化されます。
さらに、人手不足や人件費の高騰に悩む店舗にとって、ロボットは安定した労働力の代替となり、スタッフの身体的負担の軽減にもつながります。また、配膳の正確性やスピードが向上することで顧客満足度も高まり、話題性や集客効果も期待できます。
参考記事:
配膳ロボットのメリットは?導入が進む背景や検討すべき店舗の特徴 メリット | 詳細内容 |
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人手不足の解消 | 人件費の高騰や採用難への対策として有効。 少人数でも店舗運営を維持しやすくなる。
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ホール業務の効率化 | ロボットが配膳や下げ膳を担当することで、スタッフは接客や注文対応に集中できる。 忙しい時間帯でもスムーズな提供が可能に。
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スタッフの負担軽減 | 重い料理や複数皿の持ち運びによる体力的負担を軽減。 特に高齢スタッフや女性スタッフが多い現場で効果的。
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顧客満足度の向上 | 注文から配膳までがスムーズで待ち時間が減る。 子ども連れや外国人客から「ロボットが配膳する楽しさ」による好印象も得られる。
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業務の平準化・ミス削減 | 配膳ミスや提供漏れの防止(指定テーブルへ正確に届ける)。 混雑時でも安定したパフォーマンスを維持できる。
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話題性・集客効果 | ロボット配膳がSNS映えすることで自然な話題になり、集客につながるケースも多い。 他店との差別化ポイントとしても活用可能。
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回転率アップ | 配膳時間の短縮でテーブルの回転が早まり、売上増加につながる。
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配膳ロボットは業務効率・コスト対策・顧客体験向上を同時に実現できる次世代の店舗運営支援ツールとして価値を高めています。
配膳ロボットの各社比較
配膳ロボットといっても、各社それぞれ特徴の異なるモデルをリリースしています。
本項では、国内の配膳ロボットで人気のモデルを各社比較していきますので、自店にマッチするものがあるかどうか参考にしてみてください。
参考記事:
配膳ロボットの種類とは 参考記事:
AI搭載の配膳ロボットとはKeenbot T8(キーンボット)

出典:
SoftBankRobotics 製品仕様 | 概要 |
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本体サイズ(mm) | 幅384 x 奥行き462 x 高さ1,116 |
トレー段数 | 2段※3段目スペースも利用可能 |
耐荷重 | 15kg※上段5kg/中段5kg/下段スペース5kg |
最小通過幅 | 55cm |
速度 | 最大0.8m/秒 |
充電時間 | 6~7時間 |
連続稼働時間 | 9~13時間 |
シンプルで愛嬌のあるデザインながら、多機能型でさまざまなシチュエーションに対応できる強みがあります。
特に高性能なサスペンションと加減速の自動制御機能により、ドリンクなど液体物の配膳も安全にこなすことが可能です。
また、お客様が料理をとった際は自動で検知し、戻ってくれるため、次のタスクにも迅速に移ることができます。
PuduBot2(プードゥーボット)

出典:
USEN 製品仕様 | 概要 |
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本体サイズ(mm) | 幅580×奥行535×高さ1290mm |
トレー段数 | 3~7段 |
積載量 | 最大40kg、13kg /トレー |
最小通過幅 | 80cm |
速度 | 速度:0.5-1.2m /秒(調整可能) |
充電時間 | 3時間 |
バッテリー時間 | 10~24時間 |
PuduBot2は、最大40kgの積載能力とトレイ段数の調整機能を備えた高性能な配膳・運搬ロボットです。360度全方位からの受け渡しが可能なフレキシブルトレイを採用し、飲食店や医療機関、倉庫など多様な現場で活躍します。
デュアルLiDARによる360度の環境認識と高度な障害物回避機能により、安全でスムーズな走行を実現。3時間の充電で最大24時間稼働し、業務効率の向上に貢献します。シンプルでスタイリッシュなデザインも魅力の一つです。
Servi(サービィ)

出典:
SoftBankRobotics製品仕様 | 概要 |
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本体サイズ(mm) | 幅462 x 奥行き486 x 高さ1,046 |
トレー段数 | 3段 |
積載量 | 合計最大30kg |
最小通過幅 | 60cm以上 |
速度 | 約0.8m/秒 |
充電時間 | 約4時間 |
稼働時間 | 約10〜12時間 |
ServiはSLAM技術を搭載しており、マッピングした店舗内のどこにいるか(自己位置推定)と周辺環境把握(環境地図の作成)ができるため、店舗内を安全に走行可能です。
最大搭載重量も30㎏と大容量で、複数の配膳・下膳業務にも対応可能です。
また、走行可能な通路幅も60㎝と、かなり狭い道幅でも安全に移動できる点も強みです。
さまざまな飲食店の環境に適応できるバランスの取れた配膳ロボットといえます。
PEANUT

出典:
tanico製品仕様 | 概要 |
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本体サイズ(mm) | 500×500×1200mm~ |
充電時間 | 4時間 |
稼働時間 | 10時間 |
耐用年数 | 約5年 |
充電時間4時間に対し連続10時間稼働できるため、1日分の営業にも十分対応できます。
3層に分かれたパレットに料理を乗せることが可能で、同じテーブルに届けることも、複数のテーブルに届けることもできます。
また、パレット1層の耐荷重は10kgとなっているため、耐荷重の心配が要らない点も魅力といえます。
BellaBot(べラボット)

出典:
USEN製品仕様 | 概要 |
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本体サイズ | 幅535 × 奥行537 × 高さ1,290mm |
速度 | 速度:0.5-1.2m /秒(調整可能) |
バッテリー持続時間 | 12~24時間(交換式) |
充電時間 | 4.5 時間 |
必要通行幅 | 70cm以上 |
猫耳の付いた可愛らしいデザインが特徴的で、ビジュアル面の評価も高いモデルといえます。
機能面も最新鋭のものが搭載されており、無指向性3D障害物回避機能が備わっています。この機能により、BellaBotは障害物に遭遇した場合即座に任意の角度で停止し、離れることが可能です。
また、AI音声によるダイアログコンテンツを提供可能なため、お客様を楽しませるという観点でも大きな効果が期待できます。
Lanky Porter(ランキーポーター)

出典:
KINGSOFT製品仕様 | 概要 |
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本体サイズ | 526mm × 493mm × 1,320mm |
総積載量 | 40Kg |
トレイ数 | 4段 |
上げ膳・下げ膳 | 両方あり |
必要通行幅 | 70cm以上 |
次に紹介するのはKingsoft社が手掛けているLanky Porterです。
Lanky Porterは免振性に長けており、揺れを最小限に走行できます。また、呼び出しボタンにより運用拡張ができるため、飲食店の特性に合わせ、Lanky Porterをカスタマイズできる点はユーザーにとって大きな魅力といえます。
Lanky Porterの東部ディスプレイは配膳・下膳・案内・巡行と4つのモードで運用できます。配膳中はディスプレイ操作で運用しつつ、自店舗の広告やPRをディスプレイで流せるため、配膳業務に留まらず、販促活動への貢献も可能となっています。
KettyBot

出典:
DFARobotics製品仕様 | 概要 |
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本体サイズ | 460mm*440mm*1120mm |
速度 | 最大1.2m/秒 |
バッテリー持続時間 | 8時間 |
充電時間 | 4.5 時間 |
必要通行幅 | 55cm以上 |
KettyBot(ケティボット)は、幅わずか55cmの通路でもスムーズに走行可能なコンパクトな配膳・下げ膳ロボットです。18.5インチのディスプレイを搭載し、広告や案内表示が可能で、店内のプロモーションにも活用できます。最大30kgの荷物を運搬でき、バッテリー残量が10%以下になると自動で充電ステーションに戻る機能も備えています。飲食店やイベント会場など、さまざまなシーンで業務効率化と顧客満足度向上に貢献します。
BUDDY

出典:
BUDDY BUDDYは、SOCIAL ROBOTICS株式会社が開発・製造する純国産の自律移動ロボットです。特許取得の免振機構により、液体をこぼさずに運搬でき、飲食店や工場など多様な現場で活躍します。走行方式は、RFIDマーカートレースとLiDAR SLAMの2種類から選択可能で、狭い通路や複雑な環境でも安定した走行を実現します。また、外部連携やカスタマイズにも柔軟に対応し、導入後のサポートも迅速です。国内製造ならではの高い信頼性と対応力が魅力です。
サービスショット

出典:
ALPHAX FOOD SYSTEM 「サービスショット」は、株式会社アルファクス・フード・システムが提供する外食産業向けのAIサービスロボットシリーズです。配膳・下げ膳・案内・除菌・清掃など、多機能なロボットがラインアップされており、飲食店や給食施設の業務効率化と人手不足解消に貢献します。特に、配膳AIロボット「α-8」や多機能お掃除ロボット「α-9 Sveabot TM S100」は、狭い通路でもスムーズに移動し、さまざまな作業を自動で行うことが可能です。これらのロボットは、AIによる自律走行や障害物回避機能を備えており、安全かつ効率的な業務運用を実現します。また、導入後のサポート体制も整っており、安心して利用できる点も魅力です。
ACUR-C(アキュラシー)

出典:
SMILE ROBOTICS ACUR-Cは、スマイルロボティクスが開発した自律走行型の配膳・下膳ロボットです。最大の特徴は、ロボットアームを搭載しており、テーブルから食器を自動で回収できる点です。これにより、従業員やお客様が皿の乗せ替えを行う必要がなくなり、配膳・下膳作業の完全無人化を実現します。また、レーザーSLAMによる自律走行や全方位移動が可能で、狭い通路でもスムーズに移動できます。安全性にも配慮されており、低出力モーターやシェル型構造を採用しています。飲食店や医療・介護施設などでの業務効率化に貢献するロボットです。
現在人気を博している配膳ロボットの各社比較を参考にしつつ、自店にマッチするモデルがあるかどうか検討してみてはいかがでしょうか。
参考記事:
配膳ロボットを手掛けている会社配膳ロボットの選定ポイント3選
配膳ロボットといっても、モデルごとに特徴は異なります。
本項では、配膳ロボットの選定ポイントを3つの観点から解説します。
配膳・運搬性能で選ぶ
配膳ロボットによって配膳・運搬性能は異なります。センサーの種類も異なれば、障害物を検知できる範囲もモデルによってさまざまです。
特に時間帯によって混雑具合に幅がある、お客様の往来が多いなど、障害物の多い状況が頻繁に発生する店舗の場合、配膳ロボットを運搬性能で選ぶのが無難といえます。
業務効率化ももちろん導入メリットではありますが、それ以上に優先すべきは安全な運用です。そのため、安全を最優先に運用する場合は配膳・運搬性能をしっかりとチェックしましょう。
積載量で選ぶ
飲食店によっては、一度に大皿の料理を配膳する必要がある場合もあるはずです。そういった場合には、積載量の大きいモデルを選ぶのがおすすめです。
配膳ロボットによっては、最大40kgまで運搬できるモデルもあります。また、トレイ数や幅の調整ができるモデルを選ぶことで、食器を落としてしまうなどのリスクを未然に予防することができます。
自店で配膳する料理やドリンクの大きさや量感を考慮し、積載量が重要だと感じる場合には、積載量に注目して選定を行いましょう。
接客機能の有無で選ぶ
前述しましたが、配膳ロボットの中にはAIの会話機能を活用して、コミュニケーションできるモデルが存在します。
配膳ロボットはあくまでも「配膳」がメイン業務となるため、副次的な機能である接客機能に関しては必ずしも必要ではありません。
しかしながら、コミュニケーション機能が子供の好感を呼ぶ、機能を通じてキャンペーンや新商品の販促活動ができるなど、メリットに繋がるのも確かです。
ファミリー層が多く来店する、販促活動に課題感を覚えているなど、特定の状況に該当する場合は、接客機能の有無で配膳ロボットを選定する視点も重要といえます。
自店の規模や配膳ロボットに求める機能の幅に応じて、最適なモデルを選びましょう。
参考記事:
配膳ロボットの導入事例 参考記事:
配膳ロボットの耐用年数 参考記事:
配膳ロボットの導入と補助金活用配膳ロボットを活用して店舗業務を効率化しよう
配膳ロボットは飲食店の配膳業務を効率化してくれるだけではなく、人手不足の解消や業務負担の軽減など、さまざまなメリットが期待できます。
自店のニーズにマッチする配膳ロボットを導入することで、店舗が抱えている課題や、サービスの質向上にも繋がります。
飲食店の運営で課題を抱えている場合には、配膳ロボットの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
参考記事:
配膳ロボットの導入店舗事例