クリニック・医院へのキャッシュレス決済の導入を検討する際、「どの決済端末が自院に適しているのか」「導入費用や決済手数料はどのくらいかかるのか」「電子カルテやレセコンと連携できるのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
クリニックに決済端末を導入することで、患者の支払い方法の選択肢が広がるだけでなく、現金管理の負担軽減や受付業務の効率化も期待できます。一方、医療機関向けの特別手数料や既存システムとの連携可否はサービスによって異なるため、自院の診療内容や運用体制に合った製品選びが重要です。
本記事では、クリニック・医院におすすめの決済端末4選(PAYGATE・PayCAS Mobile・STORES 決済・Square ターミナル)を比較し、各製品の特徴や導入メリット、費用、選び方のポイントをわかりやすく解説します。
【ニーズ別比較早見表】クリニック・医院におすすめの決済端末4選

クリニック・医院向けの決済端末は、医療機関向けの料金プランや通信方式、レジ・会計システムとの連携機能などに違いがあります。
決済手数料を抑えたい場合はSTORES 決済、受付業務の効率化や訪問診療での利用を重視する場合はPAYGATEがおすすめです。
クリニックのニーズや運用方法に合わせて、以下の比較表から自院に適した決済端末を確認してください。
| クリニックのニーズ・課題 | おすすめの決済端末 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 決済手数料をできるだけ抑えたい | STORES 決済 | 対象医療機関向けにクレジットカード決済手数料1.3%~の特別料率を提供 |
| 受付業務を効率化したい・訪問診療でも利用したい | PAYGATE | 4G通信・プリンター内蔵の持ち運び可能な端末。スマレジとの連携にも対応 |
| 医療機関向けプランや会計システムとの連携を重視したい | PayCAS Mobile | 医療機関向けプランを提供。対応する医療会計システムとの連携が可能 |
| 小規模クリニックで月額固定費を抑えて導入したい | Square ターミナル | 月額固定費0円から利用でき、決済機能とレシートプリンターを1台に集約 |
なお、医療機関向けの特別手数料やシステム連携の適用条件は、サービスや契約内容によって異なります。導入前に、自院の診療内容や既存システムとの対応状況を確認することが大切です。
クリニックに決済端末を導入するメリット
クリニックに決済端末を導入することで、以下のような患者満足度の向上と受付業務の効率化の実現が期待できます。
患者の支払いストレスを解消し満足度が向上する
近年はクレジットカードや電子マネー、QRコード決済など、現金以外の支払い方法を利用する患者が増えています。決済端末を導入することで、患者は希望する支払い方法を選べるようになり、会計時の利便性向上につながります。
- 現金の持ち合わせがなくても支払えるため、会計時のトラブルを防げる
- 高齢患者やインバウンド患者など幅広い層のニーズに対応できる
- クレジットカードや電子マネー、QRコード決済など多様な支払い方法を提供できる
特に自由診療や健康診断など比較的高額な支払いが発生するクリニックでは、キャッシュレス決済への対応が患者の満足度向上や他院との差別化につながることもあります。
受付業務の効率化・未収金リスクの低減
決済端末の導入は、患者だけでなく受付スタッフにとっても大きなメリットがあります。現金の受け渡しや釣銭準備の手間が減るため、会計業務を効率化できます。
- 現金の受け渡しや釣銭対応が不要になり、会計業務を効率化できる
- カード決済や事前決済により、未収金リスク軽減につながるケースもある
- レジ締めや現金管理にかかる時間を削減できる
会計業務の負担が軽減されることで、受付スタッフは患者対応や電話応対など本来の業務に集中しやすくなります。また、現金を扱う機会が減ることで会計ミスや金額の差異が発生するリスクも抑えられます。
クリニック向けおすすめ決済端末3選
ここでは、クリニック・医院への導入実績があるおすすめの決済端末を3つ紹介します。各サービスの特徴・費用感・クリニックでの使いどころをあわせて確認してください。
【スマレジ】PAYGATE

PAYGATEは、株式会社スマレジが提供するマルチ決済端末です。1台でクレジットカード・電子マネー・QRコード決済に対応しており、持ち運び可能なオールインワン端末として利用できます。
端末代が実質0円となるプランやキャンペーンが用意されている場合があります(適用条件は契約内容により異なります)。端末1台でさまざまな決済を受け付けられ、POSレジ「スマレジ」と連携できる点が特長です。レジ金額の二度打ちが不要になるため、受付業務の負担軽減につながります。
受付業務の効率化を重視するクリニックや訪問診療を行う医療機関、POSレジとの連携を重視するクリニックにおすすめです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供会社 | 株式会社スマレジ |
| 対応決済 | クレジットカード・電子マネー・QRコード決済 |
| 通信方式 | 4G・Wi-Fi |
| 特徴 | マルチ決済対応、スマレジ連携、プリンター内蔵 |
【Square】Square ターミナル

Square ターミナルは、Square(スクエア)が提供するオールインワン型決済端末です。決済機能とレシートプリンターを一体化しており、コンパクトな端末1台で会計業務を行えます。
洗練されたデザインであるため、清潔感が求められるクリニックにもフィットします。
さらに、タッチパネルで直感的に操作できるため、スタッフ教育の負担を抑えやすく、はじめてキャッシュレス決済を導入するクリニックでも運用しやすい点が強みです。
特に、小規模クリニックや個人医院、シンプルな運用を重視するクリニックに向いています。複雑なシステム連携よりも、手軽にキャッシュレス決済を導入したい場合に適した選択肢です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供会社 | Square |
| 対応決済 | クレジットカード・電子マネー・QRコード決済 |
| 端末形態 | オールインワン型決済端末 |
| 特徴 | プリンター内蔵、コンパクト設計、直感的な操作性 |
【STORES】STORES決済

STORES 決済端末は、STORES 株式会社が提供する、店舗向けのキャッシュレス決済サービスです。
クリニックでの運用においては、特に医療向けの低い手数料率と、予約システムやレジとのスムーズな連携が大きなメリットとなります。
導入サポートの体制が充実しており、電話での相談も受け付けているため、初めてキャッシュレス決済を導入するクリニックでも安心して利用しやすいのも特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供会社 | STORES 株式会社 |
| 対応決済 | クレジットカード・電子マネー・QRコード決済 |
| 端末形態 | コードレスの決済端末 |
| 特徴 | 医療向けの低い手数料率、予約システムやレジとのスムーズな連携 |
【PayPay】PayCAS Mobile(ペイキャスモバイル)

PayCAS Mobileは、PayPay株式会社が提供するモバイル型のオールインワン決済端末です。1台でクレジットカード・電子マネー・QRコード決済に対応しており、レシートプリンターも内蔵しています。
ソフトバンクのSIMを搭載しているため、院内にWi-Fi環境がない場合でも決済でき、訪問診療など院外での利用にも適しています。また、医療機関向けの料金プランや対応する会計システムとの連携についても相談できるため、クリニックの運用に合わせた導入を検討できます。
複数の決済方法を1台にまとめたいクリニックや、受付スペースをすっきりさせたい医院、訪問診療でキャッシュレス決済を導入したい医療機関におすすめです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供会社 | PayPay株式会社 |
| 対応決済 | クレジットカード・電子マネー・QRコード決済 |
| 通信方式 | 4G(ソフトバンクSIM)・Wi-Fi |
| 特徴 | マルチ決済対応、プリンター内蔵、持ち運び可能、アプリによる機能拡張 |
クリニックの決済端末を選ぶポイント
クリニックの決済端末を選ぶ際は、一般的な選定基準に加えて、クリニックならではの観点で比較することが重要です。患者層や診療内容、既存システムとの相性によって最適な端末は異なるため、導入後の運用を見据えて選定しましょう。
対応している決済手段の幅を確認する
決済端末によって対応している決済方法は異なるため、自院の患者層に合わせて必要な決済手段を備えているか確認することが大切です。
例えば、幅広い年代が利用するクリニックではクレジットカードや交通系電子マネーの利用ニーズが高く、若年層が多い美容クリニックや自由診療クリニックではQRコード決済の需要も高い傾向があります。
自院の患者層が希望する支払い方法に対応できるよう、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済の対応範囲を事前に確認しましょう。
費用体系(初期費用・月額・手数料)を比較する
決済端末は導入費用だけでなく、月額利用料や決済手数料も含めて比較することが重要です。
一見すると初期費用が安いサービスでも、決済手数料が高い場合は長期的なコスト負担が大きくなる可能性があります。また、医療機関向けの特別プランを提供しているサービスでは、通常よりも低い手数料で利用できるケースもあります。
そのため、導入前には年間の決済金額を想定し、トータルコストで比較検討することをおすすめします。
訪問診療・院外での利用に対応しているか
訪問診療を行っているクリニックでは、院内だけでなく院外でも利用できる決済端末が便利です。
4G通信やWi-Fi通信に対応したモバイル型端末であれば、患者宅や介護施設などでもその場で決済を受け付けることができます。また、健康診断会場や地域イベントなど院外での診療機会がある場合にも活用しやすくなります。
既存システム(電子カルテ・レセコン)との連携を確認する
クリニック向け決済端末を選ぶ際は、電子カルテやレセコン、POSレジとの連携可否も確認しておきましょう。
システム連携ができる場合、会計金額を自動で反映できるため、受付スタッフによる手入力の手間を削減できます。一方で、連携できない場合は金額を二重入力する必要があり、入力ミスや業務負担の増加につながる可能性があります。
特に患者数が多いクリニックでは、会計業務の効率化に直結するポイントとなるため、導入前に対応システムを確認しておくことが重要です。
クリニックのキャッシュレス決済に関するよくある質問
クリニック・医院にキャッシュレス決済を導入する際によくある質問をまとめました。
保険診療と自由診療の両方でキャッシュレス決済を利用できますか?
保険診療・自由診療のどちらも、キャッシュレス決済を利用できます。
厚生労働省は、保険診療における患者の一部負担金についても、クレジットカードや一定の汎用性がある電子マネーによる支払いを認めています。
ただし、決済サービスによっては診療内容や業種に応じた加盟店審査が必要です。保険診療と自由診療の両方を扱うクリニックでは、申し込み時にそれぞれの決済に対応できるか確認してください。
クリニックの決済手数料を患者に上乗せして請求できますか?
原則として、クレジットカードの決済手数料を患者に上乗せして請求することはできません。
クレジットカード会社の加盟店規約では、カード払いの患者に対して現金払いより高い金額を請求する行為が禁止されている場合があります。
そのため、クリニック側が決済手数料を負担することを前提に、導入費用やランニングコストを検討する必要があります。費用負担を抑えたい場合は、医療機関向けの特別料率が適用される決済サービスも比較するとよいでしょう。
診療費の一部を現金、残りをクレジットカードで支払うことはできますか?
現金とクレジットカードを組み合わせた支払いは、導入する決済システムの機能によって対応可否が異なります。
たとえば、診療費が10,000円の場合に、現金で3,000円、クレジットカードで7,000円を支払う方法です。
このような併用決済を行うには、会計システム側で支払方法ごとの金額を管理できるか確認する必要があります。会計金額の二重計上や入力ミスを防ぐためにも、導入前に実際の受付業務を想定して確認することが重要です。
クリニック向け決済端末を比較・導入して患者満足度と業務効率を向上させよう
この記事では、クリニックに決済端末を導入するメリットから、おすすめ3製品の特徴比較、選び方のポイントまでを解説しました。
クリニックへの決済端末の導入は、患者満足度の向上だけでなく、受付業務の効率化や未収金リスクの低減にもつながります。ただし、患者層や診療スタイルによって求められる機能が大きく異なるため、まずは各サービスの資料請求や問い合わせを活用し、自院の診療科目・患者層・運用体制に適した決済端末を比較検討してみましょう。
適切な決済端末を導入することで、患者満足度の向上と受付業務の効率化を同時に実現し、よりスムーズなクリニック運営につなげることができます。

