タクシーに決済端末の導入が進む理由
タクシーに決済端末の導入が進む理由として、決済手段の多様化にともなう顧客のニーズ増大が挙げられます。
令和4年に全国ハイヤー・タクシー連合会が実施した調査によると、
連合所属のタクシー車両のうち、キャッシュレス決済に対応している車両の割合は9割を超えていました。 地域別では、東京・神奈川にいたっては99%を超えており、ほとんどのタクシーでキャッシュレス決済が導入されているとわかります。
参照:
令和4年 決済用端末機導入状況|全国ハイヤー・タクシー連合会 現金決済の場合、現金の受け渡しに時間がかかる、釣銭ミスが発生するなど、決済時の負担やトラブルに課題を抱えているケースは少なくありません。一方で、キャッシュレス決済ならこのような心配がないのも導入が進められる理由の1つでしょう。
また、近年はインバウンド観光客の増加により、海外の決済ブランドに対するニーズも増加傾向です。このような背景から、キャッシュレス決済は今やタクシー業界においても主流の決済手段になりつつあります。
タクシー・個人タクシーで導入する決済端末の選び方と比較ポイント
タクシー・個人タクシーで決済端末を導入する際は、以下の点を意識しておくことが重要です。
- ワイヤレス接続・通信接続(SIMカード内蔵)に対応しているか
- 海外のキャッシュレス決済ブランドにも対応しているか
- バッテリーは長時間持続するか
- 決済手段は多様か
- レシートプリンターは内蔵しているか
それぞれ、具体的にどのような観点で比較すれば良いのか、なぜこれらの項目をチェックすべきなのかを詳しく解説します。
ワイヤレス接続・通信接続(SIMカード内蔵)に対応しているか
タクシー・個人タクシーでキャッシュレス決済端末を導入するなら、ワイヤレス接続や通信接続(SIMカード内蔵)に対応しているものを選ぶことが大切です。
社内にWi-Fiルーターや電源を設置することは難しいため、ワイヤレスかつ決済端末本体に通信接続できる機能が備わっているものの方が重宝します。
また、このような持ち運べるコンパクトな決済端末を選べば、コード類が絡まる心配がなく、タクシー車両内の限られたスペースでも問題なく設置できるでしょう。
海外のキャッシュレス決済ブランドにも対応しているか
タクシー・個人タクシーで導入する決済端末を選ぶのであれば、海外のキャッシュレス決済ブランドに対応している機種か確認しておきましょう。近年、タクシーはインバウンド観光客の利用も増加しており、海外の決済ブランドに対応することで、収益機会の拡大につながります。
とくに、観光地やターミナル駅周辺で営業する機会が多いタクシーの場合、インバウンド対策は設備選びにおいて欠かせない比較ポイントの1つです。
海外の決済ブランドとして、具体的には中国系のWeChatPayやAlipay、世界中にユーザーが多いApplePayやGooglePayなどが挙げられます。インバウンド旅行者の顧客が多いのであれば、海外の決済ブランドにも対応している決済端末がおすすめです。
バッテリーは長時間持続するか
タクシー・個人タクシーで導入する決済端末は、バッテリーの持続時間で比較検討するのもポイントです。ワイヤレスタイプの決済端末の場合、本体にバッテリーが内蔵されており、充電して使用します。
バッテリーの持続時間が短いと、決済端末を度々充電しなければならなくなり、ワイヤレスで導入できる強みが活かせません。
そのため、決済端末のバッテリー持続時間を事前に確認し、営業時間に対応できるものを選択することが重要です。
決済手段は豊富か
タクシー・個人タクシーで導入する決済端末は、決済手段が豊富な機種を選定しましょう。キャッシュレス決済にはさまざまな手段があり、決済端末によって対応しているか否かが異なるためです。
例えば、
クレジットカード決済には対応していても、QRコード・バーコード決済には対応できない端末もあります。 決済端末の中には、幅広い決済手段に1台で対応できる、オールインワン決済端末と呼ばれる機種があるため、このような機種を導入するのもおすすめです。
決済手段に合わせて複数の端末を導入する必要がなくなるため、車内の限られた設置スペースでも幅広い決済手段に対応できるようになります。
レシートプリンターは内蔵しているか
タクシー・個人タクシーで導入する決済端末を選ぶ際は、レシートプリンターが内蔵されているタイプの機種がおすすめです。
レシートプリンターが内蔵されていない機種の場合、別途レシートプリンターを導入する必要があります。導入する設備が2つに増えることから、車内の場所を取ってしまうでしょう。
オールインワン決済端末はレシートプリンターが内蔵されているものも多いため、一体型の製品を導入することで、決済に必要な設備を1台に集約できます。
タクシー・個人タクシーでの導入におすすめの決済端末3選
ここからは、Bizcan編集部が厳選した、タクシー・個人タクシーでの導入におすすめの決済端末を3選紹介します。
それぞれの特徴について詳しく解説していますので、導入する機種を選定する際の参考として、ぜひお役立てください。
Mr.Hunt 001

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ブリッジ・モーション・トゥモロー株式会社 Mr.Hunt 001は、ワイヤレスで屋外利用もできるオールインワンタイプの決済端末です。クレジットカード決済や電子マネー決済、QRコード決済など、幅広い決済手段に対応しています。
複数あるキャッシュレス決済の契約や入金をMr.Hunt 001で一本化できるため、売上金の入金日が決済事業者ごとに異なり、管理が複雑化する心配もありません。
バッテリーが最大10時間の連続使用に対応しているのも特徴で、4G/LTE通信も内蔵しているのでWi-Fi・インターネット環境がない場所でも利用できます。 短期間のレンタル利用から、長期利用まで契約期間も自由に選べる決済端末です。
あらゆる決済手段をこの1台でカバー
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ブリッジ・モーション・トゥモロー株式会社 Mr.Hunt 001は、1台であらゆる決済手段に対応しています。
クレジットカード決済に関しては、磁気スワイプ方式だけでなく、差込みによるICチップの読み取り、タッチ決済にも対応可能です。 また、現金決済の場合は預り金の金額を入力して確定、お釣りの返却を行う形で、釣銭の計算や現金による売上の記録にも活用できます。
オプションサービスを利用すれば、POS機能も付与できるため、POSレジがなくても売上管理や分析などが行えるのも魅力です。
PAY GATE
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株式会社スマレジ タクシー・個人タクシーでキャッシュレス決済端末を導入するなら、スマレジのPAY GATEもおすすめです。PAY GATEもワイヤレスで利用できる決済端末で、
数量限定で端末費用無料で導入でき、初期費用の負担なく月額料金と決済手数料のみで導入できます。 決済手数料率が通常プランよりも低くなる中小事業者向けプランがありますが、タクシーは対象外となっている点に注意が必要です。
オールインワンタイプの決済端末なので、レシートプリンターも内蔵しています。バッテリーは、フル充電で約300回の決済に対応可能です。
決済端末でPOS機能が使える

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株式会社スマレジ スマレジのPAY GATEは、決済端末でPOS機能が使える専用アプリ「PAY GATE POS」を利用できる点が魅力です。スマレジが提供しているPOSレジと同様の機能で、レジ計算や取引履歴の確認なども決済端末から行えます。
クレジットカード決済・電子マネー決済・QRコード決済など、主要なキャッシュレス決済に幅広く対応しています。
WeChatPayやAlipayなど、海外の決済ブランド利用に対応できるのも特徴です。
CASHIER A920
出典:
株式会社ユニエイム タクシー・個人タクシーでキャッシュレス決済端末を導入するなら、CASHIERのA920もおすすめです。
POS機能の搭載にも対応しており、レシートプリンターも内蔵しているので、これ1台で幅広い決済に対応できます。 2025年5月現在、リリースキャンペーン中につき、端末購入代金が無料になるキャンペーン実施中です。(3カ月以上の継続利用が必要)
タッチ決済もレシートプリントもこれ1台

出典:
株式会社ユニエイム CASHIER A920 は、コンパクトな端末ながら多機能が特徴の決済端末です。クレジットカード決済では、磁気スワイプ・ICチップの読み取りに加え、タッチ決済にも対応しています。
もちろんレシートプリンターも内蔵されているので、レシートプリンターを別途導入する必要がありません。とくに、高度なPOS機能を使用したい方におすすめのキャッシュレス決済端末です。
タクシー・個人タクシーに決済端末を導入するメリット
タクシー・個人タクシーに決済端末を導入するメリットは、以下の4項目です。
- 幅広い決済手段に対応できる
- 釣銭ミス・集計ミスを抑止できる
- 清算がスピーディーになる
- インバウンド対策につながる
それぞれ、現金決済との違いや、決済端末を導入することで得られる効果について解説します。
幅広い決済手段に対応できる
決済端末を導入すると、幅広い決済手段に対応できるようになることが最大のメリットです。近年、決済手段の多様化を背景に、顧客のキャッシュレス決済に対するニーズが上昇傾向にあります。
とくに、デジタル媒体の使用が日常的な若い世代は、現金を持ち歩かない人も少なくありません。キャッシュレス決済に対応しているか否かで、収益機会が左右されます。
現金決済への対応も残しつつ、決済端末も導入することで、顧客自身に支払い手段の選択肢を委ねられることから、顧客ニーズに対応した決済サービスの提供につながるでしょう。
釣銭ミス・集計ミスを抑止できる
釣銭ミス・集計ミスを抑止できるのも、決済端末を導入するメリットの1つです。現金決済のみの場合、釣銭ミスや集計ミスはどれだけ気を付けていても発生する可能性があります。
決済端末を導入すれば、現金のやり取りをせずに清算できるため、釣銭ミスを抑止することが可能です。また、現金を数えて売上金額との相違がないか確認する集計作業も、キャッシュレス決済なら自動化できます。
決済端末によっては、現金精算のレジ計算機能が備わっているものがあるのも特徴です。現金会計時にも決済端末を利用すれば、売上金額が自動的に集計されるため、営業終了後時の計算作業にかかる負担の軽減に役立ちます。
清算がスピーディーになる
清算がスピーディーになるのも、決済端末を導入するメリットです。現金清算の場合、顧客が財布から現金を取り出し、その金額に応じて釣銭を準備・返却する手間がかかります。
キャッシュレス決済なら、現金のやり取りを行うことなく清算できるため、乗車料金の精算にかかる時間を短縮できるでしょう。
営業時間を最大限に集客・輸送に充てられるようになることから、結果的に収益向上につながる可能性もあります。
インバウンド対策につながる
決済端末を導入すると、インバウンド対策につながるメリットもあります。海外の決済ブランドに対応している機種を導入することで、インバウンド観光客の需要が見込めるためです。
現金を持ち歩くには、自国通貨を日本円に両替する必要があり、手数料の負担も生じます。
決済端末を導入して、海外の決済ブランドを利用したいと考えているインバウンド顧客のニーズを満たすことで、インバウンド対策につながり、収益機会向上にも寄与するでしょう。
タクシーに決済端末を導入して多彩な決済手段に対応しよう
タクシー・個人タクシーに決済端末を導入すると、顧客の幅広い決済手段のニーズに応えられるようになります。
現金の持ち合わせが少ないことが理由で、タクシーの利用を見送っていた顧客の利用につながれば、収益向上も実現するでしょう。
決済端末サービスによって、対応している決済方法や決済ブランドが異なるため、導入する際は顧客層に合わせた選定を行うことが大切です。